さらに続きです。
目次
控除
私はこの言葉を確定申告関連以外で聞いたことがありません。
こーじょ・・・もうちょっとやわらかい名前にならないものですかね、、
控除とは、収入から差し引いて良いものです。
その2で説明した経費も収入から差し引いてよいものなので、似たようなものです。
税金=(収入-経費-控除)☓税率
ただ、経費が仕事による支出であるのに対し、控除はその人の置かれている環境や状況によって税金を安くしてあげるよ、というものです。
控除もいっぱいありますが、代表的なものだけ紹介していきましょう。
基礎控除
これは、全員が計上できます。48万円です。
全員計上できるってなんじゃい?と思いませんか?
例えば、年収が48万円という結構低めの年収で、経費が1円もかかってなかったら、48万円に税率をかけた金額(48万☓5%くらい)が税金となりますね。
ところが、基礎控除で48万円差し引いてよいのだから、
48万(年収)-48万(基礎控除)=0
これに0をかけるので、税金は0円。
つまり、年収が48万円以下の人は、経費なしでも、他の控除が一切なくても所得税は0円です。
極端に年収が低い人には所得税がかからないようにしてあるわけですね。
配偶者(特別)控除
配偶者という言葉も、普段はあんまり使いませんよね。
夫からみた妻、もしくは妻からみた夫のことです。
第三者に自分の妻を紹介するときに、
「私の妻の〇〇です」
と紹介する代わりに
「私の配偶者の〇〇です」
と紹介しても良い。ただ、ちょっと変な人と思われるだけです・・・
さて、配偶者(特別)控除とは、配偶者がいる人は税金安くしてあげるよ−、というものです。
ミュージシャンの男が結婚して2人で生活をはじめました。
ミュージシャンである夫は、外でバリバリドラムを叩いてギャラを稼ぎます。
その間、妻は家事をしたり、ちょっとしたパートをしてます。
この場合、家計を支えているのがほとんど夫だったとします。
そしたら、「奥さんを養ってあげてるんだな」とみなされるわけです。
養ってあげてるんなら、その分税金を安くしてあげると、というわけです。
※結婚ってお金かかるというイメージがありますが、少なくとも税金面では逆に有利です。お金がかかるのは、結婚そのものではなく、結婚式代とか、そのあと子供が生まれたりとかしたときです。
※養ってあげることを、「扶養」といいますが、扶養控除という別の言葉もあって混乱するので、ここではあえて扶養という言葉を使っていません。
発想の原点がこういうことなので、配偶者控除は、2人とも収入が高い場合は対象外です。だって養う必要ないでしょ?
また、配偶者控除は、2人のうち収入が高いほうのみが受けられます。これも当たり前ですね。金銭面でお互いに養い合っているって状況はありません。
配偶者控除は、収入から差し引いて良い金額が一定(38万)ですが、配偶者特別控除は段階的です。
どう段階的かというと、上のミュージシャン夫妻を例に取れば、
妻のパート代が上がれば上がるほど、差し引いて良い金額が下がる
というわけです。
具体的には、妻の年収が150万円までは控除額は一定(38万)そこから段階的に差し引いてよい金額が下がっていって、妻の収入201万円を超えると控除はなくなります。
つまり、201万円を超えたら、養ってるとは言えないよね、ということです。
※実際には、ドラマーの夫の収入によっても変わります
ちなみに、配偶者控除と配偶者特別控除は何が違うのか。
もともとは配偶者控除しかなかったのが、後の税制改正で配偶者特別控除ができたので2つにわかれてます。
概念は同じなので、あまり違いを気にする必要はありません。
さて、明日は控除のなかでもわかりにくい、社会保険料控除です。