ここまでで、収入、経費、控除がひとおおり把握できたはずです。
これらの数字を把握してしまえば、あとは確定申告書に記入するだけです。
ただし、ここで気をつけなければいけないことがもう一つあります。
これまた源泉徴収です。
今日は、源泉徴収について改めて説明します。
目次
源泉徴収とは
まず、名前がよくないですよね。げんせんちょうしゅう・・・ミュージシャンをふくめたフリーランス、個人事業主は全員がしなくてはいけない確定申告ですが、その割に専門性が高い用語が多い。
源泉徴収とは、所得税の天引きです。
(ちなみに、確定申告は、所得税申告のことですよ)
サラリーマンやOL、アルバイトやパートなど、雇用されている人はもちろんですが、ミュージシャンなどフリーランスで仕事を請け負う場合も、取引先によっては源泉徴収されます。
報酬の内訳を確認するか、取引先に聞いて確認しましょう。
で、源泉徴収されるということは、言い換えれば所得税を前払いしている、ということなんです。
だから、確定申告で所得税の申告をするときに、前払い分を同時に申告しないと、2重払いになるんですよ。
でも、これって申告制なんですよね。書かなかったら、そのまま2重払いになります。
誰も教えてくれません。
だから、1年で源泉徴収された金額も把握しておきましょう。
損しますよ。
源泉徴収される理由
確定申告の作業自体には関係ありませんが、そもそもなんで源泉徴収なんていう仕組みがあるのか、説明しておきます。
例えばサラリーマンの場合、毎月の給料ごとに源泉徴収されます。給料明細をみたら、ちゃんと源泉徴収として天引きされているはずです。
サラリーマンの確定申告は、企業の経理担当が代行でやってくれているので、サラリーマン本人は確定申告をする必要がありません。
その人のおかれた状況によってかわる「控除」が違うため、年末調整はする必要がありますが、その年末調整に書かれた内容をもって確定申告を企業が代行してくれている、ということですね。
じゃあもし源泉徴収という仕組みがなかったらどうなるか。
12/31にその年の収入や経費(サラリーマンには経費はありませんが、、)、控除が確定して、所得税額が決まったら、それを一括支払いしなくてはいけなくなります。
一括支払いを4月の給料から天引しても良いですが、1年分の所得税を一括で支払うと、それなりにまとまった金額になるので、ちょっときついでしょ?
つまり、サラリーマンにとっての源泉徴収というのは、所得税の分割払いをしているわけです。(利子はありませんよ)
その仕組みが、個人事業主にも同様に適用されているのです。
個人事業主にとっては、どのみち確定申告である程度の金額を一括で支払うことになるので、「分割」というニュアンスとは違いますけどね。
ちなみに、国にとっても、3月か4月あたりに全国のサラリーマンやパート、アルバイトから一括で納税してもらうより、毎月分割で納税してもらったほうが、やりやすいのだそうです。
ということで、次回はついに実際に記入していきます。
どんな会計ソフトを使う場合でも、全部自分で記入する場合でも、
「収入」「経費」「控除」「源泉徴収」
これらの金額を把握しておけば、全然難しくありません。
それから、大切なことをひとつ。
収入はさておき、「経費」「控除」「源泉徴収」を把握しておかないといけないのは、つまるところの、税金を安くするため、損をしないため、です。
国に税金をいっぱい払いたい、損してもなんとも思わない、という人は、それこそ申告制なので、経費も控除も源泉徴収額も無記入で構いませんが(それでも基礎控除はありますけどね)、そんな人いないでしょ?