私の知り合いに高校生がいます。
その子は、県内で屈指の進学校に通っています。
両親はともに教員。
ここまで聞くと、インテリっぽい家庭とか優等生とかイメージしがちですが、この子はちょっと違う。
実は勉強があまり好きではないのです。
中学までは成績も上々、環境も良かったせいか進学校の高校受験にも通りましたが、そもそも勉強の苦手意識があったようで、高校では周りにいる人の頭の良さにビビって、なんでこんなところにきてしまったんだ、と悩んでいます。
そして、この子は私と同じく、あまり競争心がない。
競争心がないのに、競争を強いられる気持ちは痛いほどわかります。
勉強でもなんでも、最低限はできないとだめでしょうが、どこまでも上を目指すのは個人の自由ではないのか。
若い頃から私がずっと疑問に思ってきたことです。
この子とは、音楽を通じて知り合いました。
音楽を学ぶことに関しては向上心があります。
勘違いされがちですが、競争心がなくても向上心はあるのです。
これはよく短距離ランナーと長距離ランナーに例えられます。
短距離ランナーは順位を競う。
長距離ランナーはタイムを競う。
似ているようで違うのです。
また、競争心がなくても劣等感は感じるのです。
この子の場合、進学校に入学しちゃったもんだから、劣等感を常に感じざるをえない。
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大人は、次の世代のために色々考えなくてはいけませんね。
その子にとって、進学校に行くことが一般論的に言われている通りに幸せなことなのかどうかは、本当によく考えないといけません。
たかが学校でも人生が大きく変わります。
最終的には自分次第ですが、高校生に対しては、大人がある程度のレールを敷くことだって重要です。