この時期には何度書いても書き足りないくらいなので、あらためて書きます。
私の周りにはミュージシャンが多い。
そして、ミュージシャンの多くはフリーランスです。
フリーランスって、日本語では自由業。
だれにも雇われてないということですね。
フリーランスのミュージシャンは、
「今度このライブでギター弾いてくれない?」
みたいに仕事をもらって、弾いて、ギャラをもらう。
そんな人も多いはずです。
そのときに、ギャラを支払う側によっては
「源泉徴収してるんで」
と言って、実際にもらう金額と領収書の金額が違うことがあると思います。
源泉、というワードが出てきた瞬間にアレルギー反応を起こす人います。
なんか難しそう、と。
でも、全然難しくありません。
源泉は所得税です。
違いはありますが、もう同じと思ってもらって良いです。
所得税はわかりますね?
所得に応じて国に支払う税金です。
ちなみに所得というのは、収入から経費を差し引いたものです。
これをふまえて、先程の言葉を言い換えれば
「源泉徴収してるんで」
↓
「所得税を差っ引いているんで」
ということです。
だいぶわかりやすいでしょ。
さて、ここからです。
所得税は、収入税じゃなくて所得税なんです。
意味わかります?
つまり、「収入から経費を差し引いたもの」にかかる税金です。
例えば、収入が500万円あっても、経費が400万円あったら、所得は100万円、この100万円に所得税が発生するんです。
じゃあ、収入が500万円あって経費が500万円あったら?
そう、所得税は0円のはずです。
ところがどっこい、仕事をして報酬をもらうときに、先程の例のように
「源泉徴収してるんで」=「所得税を差っ引いているんで」
となっている。
仕事をするのに、経費が1円もかかってないのならば、これでOKですが、実際には経費がかかっているでしょう?
ギタリストなら、弦代や現場までの交通費、譜面を作るのに買ったソフト。
本当はこれら経費を収入から差し引いた額=所得に税金が発生するのに、これらを差し引かなかったら、収入額と所得額がおなじになって、税金が高くなるんです。
すでに差っ引かれた所得税(源泉)だからどうしようもない、ではありません。
これを返金してもらうのが還付です。
そのために必要な手続きが確定申告です。
確定申告で、収入と経費、源泉徴収額(=すでに支払っちゃった所得税)を申告すれば、すでに支払っちゃった所得税が戻ってきます(=還付されます)。
ところが、ちゃんと確定申告してくださいねー、とは誰も言ってくれません。
そして、確定申告しなかったら、支払い済みの税金が戻ってきません。
税務署は嬉しいでしょうけどね。
経費0円の人なんていないでしょ?
だから、ちゃんと確定申告しましょう。
必要なのは、収入金額、経費総額、源泉徴収額です。
収入金額と経費総額は、自分で調べるしかありません。
ちなみに、経費といえば「領収書をとってない」と嘆く人もいますが、クレカやキャッシュレスの明細などで支払が確認できれば、それでOKです。
よくある勘違いですが、確定申告では領収書を提出するわけじゃなく、経費の金額を書く必要があるだけです。
源泉徴収額は、報酬を支払ってくれたところに問い合わせます。
ちゃんとやればちゃんと戻ってきますよ。
日々の節約が吹っ飛ぶくらいの金額になることも多々あります。