昔、何かの記事かニュースで、耳垢の掃除は一生しなくても、特に問題はない、むしろしすぎてしまうこともあるので、しなくてもよい、といった内容のものをみかけた。
昔の記憶なので、とても曖昧だ。
しかし、いろいろなことに対してめんどくさがり屋な自分は、こういったニュースに対する反応は非常に早く、ならばということで、それ以来耳の掃除をしたことがなかった。
どのくらいの期間は、はっきり分からないが、最低でも10年は超える。
TV番組を見た翌日に偶然起こったこと
さて、ある日NHKの「ためしたガッテン」という番組を見ていると、「耳垢栓塞」という症状を紹介していた。
名前は難しいが、要するに耳垢の溜まり過ぎだ。
TVで紹介されていた人は、耳掃除のし過ぎで耳垢が奥にたまっていき、ある日突然耳が詰まったように聞こえなくなった、という。
耳鼻咽喉科で診てもらうと、耳垢栓塞と診断され、耳垢を除去して終了。
その後は正しい耳掃除の仕方を紹介して番組終了、となった。
自分は耳掃除を長いことしていないが、耳の聞こえに問題はないので大丈夫だろう、程度に思っていた。
次の日。
その日はライブ出演の仕事で、リハも普段通り終わり、本番も途中までは問題なかったのだが、突然左の耳が塞がれたように聞こえなくなった。
全く聞こえないわけではないし、右耳は普通に聞こえる。そして痛みは全く無いので、ライブは問題なく終わった。
帰宅後、家族に左耳をみてもらうと、
「耳垢が詰まり過ぎていて、奥が全く見えない」
とのこと。
その時に、市販の耳かきで少しだけ耳垢を取ろうと思ったのだが、あまりにも固まりすぎていて、全く刃が立たなかった。
これは、昨日ガッテンでやっていた「ジコウセンソク」というやつだな、とわかった。
昨日の放送でも、耳鼻咽喉科にいってすぐに治っていたので、翌日予約をしていざ耳鼻咽喉科へ。
耳鼻咽喉科に響く叫び声
耳鼻咽喉科に来たのは、小学生以来だから、かれこれ30年近く経っていることになる。
待合室には、診療室から、子供の泣き叫ぶ声がひっきりなしに聞こえていた。
子供にとっては、確かに痛い治療だろうな、と思いながら静かに自分の順番を待った。
名前を呼ばれ、診療室に。いきさつを説明し、耳をみてもらうと、確かに耳垢栓塞とのこと。
ほら、やっぱり。
ということで、耳垢をとってもらうために、寝台に横になった。
専用の吸引器のようなものと、これまた専用の耳かきで耳垢の除去にとりかかった。
痛いなんてものではない。
痛すぎて、意識が飛びそうになった。
どのくらいの間耳の中をゴリゴリされていたかもわからないレベルだ。
大人なので、流石にギャーギャー叫ぶことはしなかったが、間違いなくこれまで経験した中で一番の痛みだった。
※余談だが、出産がこれ以上に痛いというのならば、自分は男に生まれて本当に良かった、と心の底から思う。
「80%は取れましたが、まだ奥の方の垢はとれていませんね」
ひとしきり痛い思いをしたあとの先生の一言で、まだ続くのかと思いきや、耳垢を溶かす液(耳垢液)を一日一回さして、3日後にもう一度来るように、とのこと。
その日は、帰った後もつばを飲み込むたびに激痛が走り、痛さからくるストレスでめげそうになった。
3日後再び耳鼻咽喉科へ
3日後に恐る恐る耳鼻咽喉科へ。寝台に勇気をだして横になると、数秒で耳垢除去終了。
「耳垢液で柔らかくなっていたので、すぐにとれました」
じゃあ、最初からこれを使った後に除去すればよかったのではないのか、という質問は出来なかった。
何はともあれ、無事に耳垢栓塞から回復した。
耳かきで耳を掃除するのは、1ヶ月に1回くらいがベストで、それ以上はしすぎらしい。
また、耳かきがあたって敏感に反応するところまで耳かきを入れるのはNG。
あと、綿棒もNG。
これらの注意を守って、現在は耳垢栓塞にならないように努めている。
耳掃除をあまりしてない方、またはかなり頻繁にしている方、お気をつけあれ。
治療はかなり痛い。