私にとって読書は、音楽と並んで人生の軸となっているものです。 あの日、あの時、あの本を読んでいなかったらいまやっている仕事も、結婚した相手も、住んでいる場所も違っただろうな、と思うくらいです。
そのくらい好きなので、ぜひ色んな人に読書をすすめたい。 しかし、音楽に比較すると、もうちょっとだけエネルギーを使います。 目で字を追っているだけで内容が頭に入っていないことにふと気づき、少し前から読み直す、といったことを経験したことがある人も多いはずです。 音楽はあんまりそんなことありませんね。
読書を習慣づけるのにはいろんな方法があると思いますが、私は
- 読みにくい本はさっさとやめる
- 短編やエッセイを読む
の2つが効果的だと思っています。
読みにくい本はさっさとやめる
文章には、読みやすい、読みにくいというものがあります。 そして、一般的な尺度と個人的な尺度があります。
つまり、一般的には読みやすいと言われている本のはずなのに、どうもページが進まない、ということがあり得るということです。 こういう場合は、迷わず次の本にうつったほうが良いでしょう。
ページが進まないのは文体の相性が悪いだけでなく、内容にも関係しています。
例えば、実在する町を舞台に物語が進む本の場合、その町に住んでいる人ならば、情景描写にリアリティーがあってとても読みやすくなるはずです。 同じ文章でも、その町を知らなかったり、住んでいなかったりすると、読み進められないといったことは十分にありえます。
面白いと思える本は、さほどエネルギーを使わずとも読めます。世間の評判ではなく、自分自身で面白いと思った本だけを読み進めましょう。その為には、極端な話10冊中9冊を途中でやめてもかまわないのと思います。
短編やエッセイを読む
[amazonjs asin="4101001529" locale="JP" title="村上ラヂオ (新潮文庫)"] 読む時間がない、という訴えもよく聞きます。 しかし、本を読む時間が全くないというのはちょっと考えられません。 本なんて、1分あれば読み進められます。
だから、多分読む時間がないと言っている人の真意は、読書のためのまとまった時間がとれないので、読書時間が細切れになって、内容が頭に入らない、ということなんだと思います。
そういう人は、短編やエッセイから入ることをおすすめします。 上に紹介したのは、好きな作家、村上春樹さんのエッセイです。 一つのエッセイが、絵1ページと文章2ページくらいで構成されているので、一つのエッセイを読むのに5分もかかりません。 このエッセイに関して言えば、日常のことを淡々と書いてあるだけなので、難しい用語なんか全く出てきません。
日常のことを淡々と書いてあるだけ、といってもそこはプロの文筆家だけあって、おもわず「ふふふ」と笑ってしまうような内容が盛り沢山です。
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読書は、慣れてしまえばほとんどエネルギーを使いません。 逆に、疲れているときにこそ本を読みたい、と思えるくらいになったら読書が習慣づいている証拠でしょうね。