何かを身につけようと思った時に、一番手取り早いのは、その道の達人を見たり、教わったりすること、、だろうか。
幼少期の英会話教室や水泳教室など、人間育成という側面も多分に含まれる習い事は置いといて、大人になってからの習い事をするときは、習い事病にきをつけるべきだ。尚、大人になってからの習い事の中でも、単純に友達を増やしたいなどの理由のばあいは除く。
(習い事病という名称は、自分が勝手に考えたものだ)
習い事病とは、習えば技術なり知識なりが向上すると勘違いしていることだ。
「え?習い事して技術、知識が向上するのは当然じゃないの?」
と思うかもしれない。
しかし、実はそうではない。
自分の知り合いの英会話講師が、面白い計算をしていたので紹介しよう。
英会話を例えば週に1回1時間習ったとする。
すると、月に4時間、年に換算すると36時間。
つまり、英会話教室に行って週一時間習うと、一年間通って合計36時間習ったことになる。
ここで、実際に海外に行った時のことを考えてみよう。
ちょっと長めの休暇をとって海外に行くとする。
睡眠時間をのぞいて、日中の活動時間は約16時間とする。
すると、2日間で32時間だ。
先ほどの36時間と比較してみたい。
つまり、英会話教室に1年間通ったところで、その累計時間は、英語圏の環境にたった2日少しいた時間にすぎないのだ。
2日少し英語圏に滞在しただけで英語が話せるようになるかどうか、よく考えていただきたい。
実は、36時間という計算には、条件がつく。
この累計時間は、英会話教室でしか英語に触れなかった場合の計算だ。
では、1年で英語がある程度話せるようになるためには、どのくらいの時間英語に触れる必要があるのか。
自分は、依然海外に住んでいたからある程度英語が話せる。
環境にもよるが、渡航後2ヶ月くらいで、大雑把ではあるが、コミュニケーションをとることができるようになった。
先ほどの計算を再度してみる。
2ヶ月=60日、1日を睡眠時間を除いて16時間と考えて、960時間。これがコミュニケーションをとることができるようになるために必要な時間。
これを日本で学習で補うとして、1年間かけられるとしたら、1ヶ月につき80時間。週に20時間だ。
週に1時間と週に20時間、この差がものすごいことは言うまでもない。
では、あきらめるのかというと、そうではなく、学習効率をあげるのだ。
あげ方は簡単。英会話教室の時間以外にできるだけ多く英語に触れるようにし、英会話教室では、普段触れている英語の中から生まれた質問に集中する。
つまり、基本的には自分で学習し、英会話教室で補うということ。
メインが自分の学習で、サブが英会話教室だということ。
これは、別の側面からみても理にかなっている。
習い事病の原因は、それがインプットの行為にしかなっていないということがあげられる。
何かを身につけるときに、インプットのみで身につくものなど、ほとんどないと言える。身についていると思っているのは、おそらく勘違いだ。
音楽でも、運動でも、パソコン教室でも、アウトプットすることによって、その技術知識は固まっていく。
英会話教室の授業を例に取ると、自分の質問を中心に授業がすすむというのは、完全に能動的な(つまりアウトプット)授業になっていると言える。
海外に行ってある程度時間がたったら、大抵の人は英語に困らなくなる。それは、自分から外出し、わからないことを調べ、考え、実行せざるをえない環境(=アウトプット)になるからだ。
買い物にいくことですら、アウトプットになり得る。
(店までの道を誰かに聞く、商品の売っている場所を店員に尋ねる、精算の時に外貨で支払いお釣りをもらう、、、)
物事は、習い事で身につくのではない。
習い事は、あくまで自分の学習の中でのサポートでしかないことを忘れてはいけない。