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高校まで一番嫌いな科目は何、と聞かれた、即答で社会でした。 特に歴史。日本史世界史問わず、です。
歴史が嫌いな人はおそらくほとんど理由はおなじで、暗記ばっかりでつまらないからです。
でも、大学以降に気づきました。 私が嫌いだったのは歴史ではなく、歴史という科目だったのです。
私は、何かを学ぶきっかけには多少なりとも「面白さ」が必要だと思います。 歴史の授業で出てくることを暗記するのが面白いという人も中にはいるかもしれませんが、大概の人は退屈に感じるのではないでしょうか。
その点、歴史小説は面白い。 当たり前です。面白くないと読んでもらえないし、売れません。 司馬遼太郎さんの竜馬が行くなんて、もうめちゃめちゃおもしろいですよね。
しかし、歴史小説と史実は違います。 史実を元に書いていますが、想像で加えた部分もあるし、盛っているところもあるでしょう。
だから歴史と言っても、科目、小説、史実といろんな側面があります。
面白いかどうかは関係なく、歴史を学ぶことは重要です。 人も社会も、過去から未来を予測する以外に方法はありません。 教科書は歴史の中にしかありません。
歴史を学ぶことが大切で、そこに興味を持つ人を多く育成することが学校教育の目的の一つです。 私は、この目的が今の教育には感じられないのです。 勉強のための勉強、テストのための勉強になってはいないでしょうか。
歴史の興味をもたせることが目的ならば、最初に注意を払うのは、興味を削ぐような教え方はしない、ということです。 暗記はまさにそれにあたります。 でも、暗記内容に対するテスト作成は簡単なんですよね・・・
私は、史実と多少違っても、最初は面白さ重視で歴史を教えてもよいのでは、と思います。 ある有名な歴史学者も、歴史学者を目指したきっかけは上記した竜馬が行くだったそうです。 いまは歴史学者なので、それが史実と異なることはもちろん知っているわけですが、史実と違う歴史小説が、歴史に興味を持ち学者を目指すきっかけになったという事実にも着目すべきでしょう。
なせか教育においては、 面白い⇢ラク⇢遊びに近い⇢NG というよくわからない論理が語られます。 面白いことの中にも意義があるものはたくさんあるし、面白さを超える興味はないのではないでしょうか。