肩がこったことがない。
車の運転をするのが好きなので、ドライブで結構長い距離を運転することもあるが、そんな時でも肩はこらない。
日々の業務はパソコンを中心に行うことが多く、長いと続けて10時間くらいパソコンに向かいっぱなしということもあるが、肩はこらない。
昔、何かの番組で、肩がこらない人には2タイプいる、ということを聞いた。
一つは、単純に肩がこらない体質の人。
もう一つは、肩がこっているにも関わらず、それに気づいていない、つまり痛みを感じていない人。
後者は非常に危険で、血行不良の自覚症状がないまま、脳卒中になったりすることもあるそうだ。
これを聞いてすぐに病院に行き、肩の検査をしてもらったが、
「あなたはこらないタイプですね。大丈夫です」
との診断を受けた。
つまり、前者のタイプだ。
さて、世の中には結構マッサージ好きがいる。
ここで言うマッサージ好きは、マッサージを受けることが好きなのではなく、マッサージを施すのが好き、という意味。
自分の周りにたまたま多いだけなのか、本当に多いのかは不明だが、
「マッサージが得意!」
と自慢する人が多い。
それだけなら結構なことだ。何でも不得意より得意の方が良い。
しかし、マッサージ好きに対して「自分は肩がこらない」と言うと、どれどれ、と言った感じで、肩のマッサージを始める。
「これはこってるよ」
お決まりの文句だ。上記の流れで、初めて自分の肩を触る人は、100%近くこう言う。
あまりにも言われるので、改めて(前出とは別の)病院へ。
すると、「あなたはこらない体質です」
となった。
念のため、セカンドオピニオンよろしくサードオピニオンを聞きにさらに別の病院へ。
診断の結果は同じだった。
病院に3度も足を運び、3度ともこっていないと診断されたのに、こっていると言うマッサージ好きは、はたしてどんな根拠があってそんなことを言っているのだろうか。
あまりにも言われるので、最近は、肩がこらないということもあまり口にしないようにした。
しかし、そう言わなくても、やたらとマッサージを施したがる人もいる。
自分がパソコン業務だということをしったら、結構な割合で施してくる。
そしてお決まりの
「結構こってるね」
である。
マッサージは、患部(?)を指や手で押す。
こっている人はこれで「イタギモチイ」となるらしいが、こっていないので「イタイ」だけが残る。
痛い、と伝えると、これまたお決まりの文句、
「痛い、ということは、こっているということよ」
なんて言う。
肩を力いっぱい指で押せば、痛いに決まっている。
痛覚はしっかりあるのだ。
こっているかどうかは関係ない。
たかが肩こりでも、身体のことを知るのは本当に難しい。
こう言うと厳しいかもしれないが、素人に毛が生えた程度のマッサージ好きでは、肩がこっているかどうかの診断も難しいのだろう。
それをわきまえて、どうか適当に人の体を診断するのは控えてもらいたい。