今週末は、大切な友人の結婚パーティーだ。
音楽屋は、パーティーといえば演奏で、今回も例外ではない。
音楽をやっていて本当によかったと思うときは、まさにこういうときだ。
音楽の素晴らしさは、ここで長く文章で書くよりも、実際の音を聞く方が絶対に良いので、あえて伏せてこう。
今回は、音響設備のある飲食店などの人向けの記事にしてみようと思う。
音響設備は、ほったらかしのところが結構多い
ライブハウスや、普段から生バンド演奏をしている店のスタッフなら、音響についての知識も明るいと思うが、そうでない店がたまに演奏のために使われることがある。
貸し切りパーティーなど、まさにその一例だ。
こういった店に演奏に行くと、音響周りはケーブルが尋常じゃないほど絡まりまくり、ホコリもかぶっていて、スタッフも全く何も理解していない、ということが多い。
それにも慣れてしまったので、今は不快にすら思わないが、それでもホコリだらけの機材はいろいろな意味でよくないので、簡単に音の出る仕組みを説明する。
音の出る仕組みは、音が流れる順番に、まずは「音源」
音響を理解するのは、音が流れる順番に理解するのが一番シンプルなので、まず音源から。
この音源という言葉が難しそうだが、文字通り、音の出る源のこと。
ギター、ベース等の楽器はもちろん、ボーカルや司会の為のマイク、BGM用に用意したCDやiPod、iPhoneも全て音源と呼ぶ。
複数の音の出入り口がある「ミキサー」
次にそれらをまとめるミキサー(卓、コンソールとも呼ぶ)。
このミキサーには、音の入口と出口がたくさんあるので、音源が複数ある場合でも対応できるというわけだ。
それらのボリュームバランスや音質の調整もここで行う。
逆に、マイク1本しか使わない場合は、基本的にミキサーは不要。
音を大きくする「アンプ」
ミキサーの後はアンプ。
アンプは増幅器のことで、簡単に言えば音を大きくする為のもの。
なぜ機材を使わなければいけないか、それは詰まるところの、音を大きくしたいからだろう。
※ミュージシャンが使う「アンプ」という用語は、音響で使うアンプとは違う。ミュージシャンが使うアンプは、ギターアンプや、ベースアンプのことで、これらは、各々の楽器に特化して設計された、アンプ内蔵スピーカーのことで、音響で使うアンプには全く適さない。
打ち合わせ段階で、ミュージシャンが「アンプは持参します」といっても、これは音響で言うアンプとは違うので、注意すること。
音が出るところ、みんなご存知「スピーカー」
最後にスピーカー。
これは、音が最後に出る装置。
通常はLRの2つ。天井埋め込みなので、たくさんのスピーカーを設置している会場もあるが、そのケースは割愛。
音の流れを整理してみよう
整理すると
①音源→②ミキサー(場合によっては不要)→③アンプ→④スピーカー
となる。
ライブ会場になると、これ以外にも様々な機材を使っているが、それらはより音を「良くするもの」としてあるのであって、「音が出るために必要なもの」ではないので、説明を簡単にするために、ここでは触れない。
注意点1 機器間の接続
これらの機材間をつなぐのは、各種ケーブルだが、機材や型番によって使うケーブルが違うのがややこしいところだ。
ここにすべてのケースを書くことは不可能だが、例えば①音源であるiPodと②ミキサーを繋ぐ場合、iPodの端子はミニピンと呼ばれるもの、ミキサーのほうはPHONEという端子だったり、キャノンと呼ばれるものだったり、RCA(いわゆる赤白)と呼ばれるものだったりする。
それを確認して、該当のケーブルを用意し、接続する。
注意点2 アンプ内蔵型機材
省スペースを実現するために、上記②ミキサーと③アンプが一緒になった機材がある。そのミキサーのことは「パワードミキサー」と呼ばれる。
また、④スピーカーと③アンプが一緒になったものもあり、これは「パワードスピーカー」と呼ばれる。
これらが機材としてある場合は、
- 音源→パワードミキサー→スピーカー
- 音源→ミキサー→パワードスピーカー
となり、機材が1つ減る。
アンプは通常1つで充分なので、
音源→パワードミキサー→パワードスピーカー
とは繋がない。
スピーカーは電源がいらないが、パワードスピーカーは電源必要で、ライブで使うくらいのものだと、たとえ小さかったとしても、LR各々に電源がいる。
一方、ミキサーは、パワードでもそうでなくも電源は必要なので、コンセントの数に限りがあり、できるだけ少なく使いたい会場などは、パワードミキサーの方を使う。
電源のON、OFFの時は、細心の注意を
最後に、全ての機材を繋いだら、電源を入れるが、電源を入れる場合は、必ず音の流れる順番に入れる。
つまり、音源(電源があるものの場合)→ミキサー→アンプの順番(スピーカーに電源は無い)」。
逆に電源を落とす場合は、逆順で、
アンプ→ミキサー→音源
の順だ。
電源を入れる時も落とす時も、全てのボリュームを落としておくように注意しよう。
これらの順番を間違えたり、ボリュームを入れたままにしてしまったりした結果、高価な機材が故障することは少なくない。
(その2へ続く)