この時期になると、テレビ番組も特番だらけになる。
普段からほとんどテレビを見ないので、自分としては何も変わらないのだが、とりあえず音楽が仕事なので、紅白歌合戦について書いておこう。
紅白歌合戦の昔と今、変遷
これを見て分かるように、紅白歌合戦は非常に人気のあるもの「だった」。
2位以下にスポーツ関連が並ぶ中、1位は紅白歌合戦だ。
歌番組がたくさんあるなかで、紅白歌合戦だけがいかに特別かが見て取れる。
今60歳くらいの人、またはそれ以上の世代の人たちにとっては、音楽を夢見るなら、テレビ出演の頂点は紅白、というのが当たり前だった。
ところが、Automaticで一躍有名になった宇多田ヒカルが、記者会見で「紅白を見たことがほとんどない」と言ったことが話題になり、それ以降の世代に紅白の価値が疑問視されるようになった。
紅白の出演者をみると、ベテランはほとんど演歌で、ベテランかつPOPS(サザン、B'z、ユーミンなど)の出演は少ない印象だ。
空気の力とは恐ろしいもので、そういった状況は昔からだったはずだが、年末は紅白、という空気で疑うことなく見ていた番組だった、というのが事実であろう。
それが宇多田ヒカルの発言以降、そもそも論で考え始めた視聴者が、上記の出演者の偏りに気づき始め、離れていった、といった分析は、大きくは外れていないと思う。
視聴率低下を見て、視聴者は紅白のあり方を疑問視するようになり、それがさらに視聴率を下げるという負の連鎖を起こしている。
紅白歌合戦は、オールスターではない
紅白歌合戦も、視聴者による投票で出演者を決めるべき、という意見が多数ある。
しかし、自分はそうは思わない。
例えば、野球のオールスター戦は、個人成績とファン投票で決まる。
これを音楽に置き換えれば、音源やライブの収益と、アンケートなどによるリサーチから出る人気で決めるということになる。
しかし、音楽は収益と人気だけではない。
それは、音楽の「エンターテイメント性」のみにスポットを当てているに過ぎない。
芸術性の方にも光を当てた場合、やはりテレビで放送するに値するものはたくさんある。
たとえそれが売れてなくても、だ。
クラシックは除き、音楽は芸術性とエンターテイメント性をどちらも兼ね備えている文化であるべきだと思う。
NHKという、民法に比較すれば視聴率をもっとゆるく捉えて良いテレビ局にあって、紅白歌合戦は、ぜひ芸術性とエンターテイメント性を兼ね備えたものにしていただきたい。
現時点では、上記を踏まえても、明らかに偏りが酷いと思う側面が多々ある。
どっちにしても、観ないかもしれないが、、、