商業音楽においては、譜面(スコア)を買ってコピーするのもありですが、理想的には耳コピが良いでしょう。 クラシックと違い、コードとメロディーがあっていれば、あとは演奏者に任せらた「アソビ」の部分が多くあるので、それに対応するためには読譜力よりも耳コピ力の方が大切になるからです。
さて、耳コピの話になると必ず出てくるのが絶対音感ですが、これは大して意味をなしません。 詳しくは以前書いたこちらのブログをお読みください。
https://famo-seca.club/thinking/2017-07-29-141921/
https://famo-seca.club/thinking/2017-01-22-114317/
コードを耳コピするのにやることを順に書くとこうなります。
- ベースをとる
- そのベースをルートとしたメジャーコードかマイナーコードを疑う
- 2でメジャーでもマイナーでもなかったら、1でとったベース音を構成音に持つダイアトニックコードを疑う
- 3でも見つからなかったら、1でとったベース音にダイアトニックコードを付け加えた分数コードを疑う
- それでも見つからなかったらセカンダリードミナントコード、モーダルインターチェンジ、ドミナントの代理コード等を疑う
とまあ、こんな感じです。 あとになればなるほど、コードアレンジ的には「凝っている」曲となります。もちろんこれは名曲という意味ではなく、むしろ名曲はコード的にほとんど凝ってない曲に多い印象ですね。
ベースをとるのに苦労するのならば、DAWを活用しましょう。 シーケンスにコピーしたい曲を読み込ませ、EQで思いっきりLPFをかけたら、ベースが強調されて聞こえます。
2はそのままです。1でとった音がCだったらCかCmを疑うということです。
3について。 たとえば曲のKEYがCで、1でとったベースがG、でもGでもGmでもない場合は、G音を構成音に含むCのダイアトニックコードを試すという意味です。 つまり、Cか、Emか、Gです。 うちGは2で除外されているので、CかEmかです。 CだったらC/G、EmだったらEm/Gですね。これらはコードの転回形と呼ばれます。
4からは、ダイアトニックコードではありませんが、ダイアトニックスケール上の音で構成されている音ということで、若干「凝った感じ」が出てきます。 ベースだけ動いて、コードは変わらないような質感では多用されます。 C→C/B→C/Bb→C/A(Am7) といった感じですね。
そして5はノンダイアトニックコードで、ダイアトニックスケール以外の音も入ってきます。
凝った云々いったところで、現代のPOPSでは5くらいまでの範囲ならば日常茶飯事レベルで使われます。 しかし、どういった経緯でそれが使われているかを知れば、あえて凝らないほうが良い、という選択肢も生まれますね。
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耳コピは、とにかくダイアトニックコードの知識が前提になるので、これだけはしっかり頭に叩き込みましょう。