https://gigazine.net/news/20190121-effects-mp3-compression/
音楽分野に科学的な分析が入ってくることには大賛成です。 個人的に科学的な検証が好きなので、「グッとくる」「切ない」といった抽象的な、でも確かに感じるその雰囲気の要因が何なのか、というのはぜひ科学的に突き止めてほしいと思います。
そんな研究結果の一つが冒頭リンクなのでしょう。 しかし、感動する音楽と音質の問題は、ずっと以前からその関係性の有無を議論されてきたように思います。
音質は良いに越したことはありません。 しかし、昔はノイズだらけのラジオから音楽に感動し、のめり込んでいった人もいるわけだから、昔のラジオくらいの音質は感動するのに必要な音質の下限は超えていると言って良いと思います。
一方、一般的な音響装置で聞いたらなにも感じなかった曲が、高級な音響装置で聴くととても素晴らしく聞こえ感動した、という経験もあります。
このへんは個人差もあるでしょうし、そもそも感動は数値で測定しにくいので、最終結論が出ることはないのだと思います。 また、もっとそもそも論を言えば、音質が良い、という言葉も明確ではありません。
生の楽器しか使われていなかった時代の音楽であれば、その音質の最高レベルは生の音と全く同じ、ということになるでしょう。 しかし現代音楽は、シンセやエレクトリックギターなど、生の楽器ではないパートが含まれるのは当たり前です。 こうなったときに、音質が良いという定義自体が揺らぎます。 エレキギターのひずみは、音がわれているのがかっこよい、となったわけですからね。 ◆
繰り返しますが、一般的に言われる音質に関しては、高ければ高いほどよい、ということは間違いないと思います。 また、昔に比べて遥かに良い音質が安価で手に入れられる時代になったことも事実です。
つまりは、自分のこだわりとお財布都合でなんとなくきめちゃって良いというレベルだと思います。
うちのスピーカーは音が悪いから、音楽に感動できない。 うちのAVアンプは高級だから、適当に作った曲や演奏技術が低い演奏でも感動できる。
こういったことは、まあありえないと思います。