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去年あたりに、電子書籍元年と叫ばれていたが、この記事のように、実情は芳しくない。
自分は、電子書籍推進派だ。
しかしながら、今でも購入する本の半分以上は紙。
そこも含めて、電子書籍が普及しない理由を考えてみる。
結局は値段の問題
電子書籍のメリットは、前にもブログで書いたが、改めて列挙してみる。
- 持ち運びがしやすい(軽い)
- かさばらない
- 暗闇でも読める
- 文字の大きさやフォントを自由に設定できる
- 検索機能
- 辞書機能
- マーカー、フィルター機能
- 自動しおり機能
- デバイス間同期機能
といったところだろうか。
しかも、マークした所のみをフィルタリングすることも可能だ。
さて、これの全く反対が紙の本のデメリットになる。
つまり、ここだけみれば電子書籍が紙を圧倒しているように思える。
しかし、この中には、買い物をする決め手とする最も大切な要素が欠けている。
そう、値段だ。
音楽業界と照らしあわせてみる
音楽業界におけるCDと配信の関係に関して、未だに日本ではCD販売が根強い理由の一つでもあるが、どうやら日本人はモノの所有欲が強いようだ。
同じ値段なら、紙のほうが、という人が少なくない、ということ。
さらに、ブックオフを始めとした古本屋の在庫数も、通常の本屋に勝るともおとらないところも少なくなく、値段はかなり安い。
この値段は、電子書籍よりも安いことがほとんどだ。
こうなると、紙の方を選ぶ人も多いのはうなずけるし、実際に自分が紙の本を選ぶ理由もここにある。
古本といっても、今までかなりの古本を購入してきたが、不快なほど汚れていたものは記憶に無い。
清潔な国民性が、回りめぐって電子書籍の普及の障壁になっている。
海外の古本市場には詳しくないが、音楽に関しては、似たものにレンタルがある。
欧米と比較して配信が進まなかった理由で、所有欲以外によく言われるのが、このレンタルだ。
TSUTAYAやgeoといった大手のレンタル商品ラインナップは、消費者を充分に満足させている。
これと同じことが書籍でも言えるのではないだろうか。
それでも今後に期待する
また、上にも少し触れたが、ラインナップに関しても、電子書籍はまだまだと思うことも多い。
メリット項目「数」では電子書籍が圧倒していても、値段という最も大切な要素と、ラインナップで劣るというのは痛いところだ。
とはいえ、それらを除けば電子書籍の方が良いと思う。
これも音楽業界で同じことが言えるが、所有欲よりも、コンテンツのほうが大切、というのは自明だろう。
インクの匂いが好き、という人もいるが、そういった方はインクを別で買って匂いを嗅ぎながら読めばよいのではないだろうか。
当然、紙の本を選ぼうが電子書籍を選ぼうが、個人の自由。
自分としては、便利な電子書籍がより普及し、それに伴い値段も下がってくれたら、と願うばかりだ。