読書やゲームのし過ぎで、目が悪くなる、つまり近視になるという固定概念が崩れつつあるようだ。
自分が小学生の頃に言われていて、目が悪くなる原因で誰も疑わなかったことの一つは、暗いところで何かを見続けること、もう一つが読書やゲームのし過ぎだ。
内、前者は既に否定されている。
そして今回こういうニュースがでた。
詳しくはリンク先にあるが、自分が思う大切な所だけピックアップする。
よく本を読む人が近視になるという相関関係はあるものの、これは読書が近視をもたらすというよりも、むしろ近視だから読書に向かう、という因果関係の逆転によっても説明できるため、読書を近視の原因であるという結論を結びつけることはできません
なるほど、読書して目が悪くなったのではなく、目が悪いので読書する、という因果関係。
これと同じロジックで捉えられているものは他にもたくさんありそうだ。
やっぱり、という感想。
「屋外活動」に費やした時間が長い子供ほど近視の発生が抑えられる、という関係がわかりました。
読書やゲームは、屋外で出来ないこともないが、圧倒的に屋内の方が多い。
統計上読書やゲームのし過ぎが近視を招くというのは正しいが、その原因の捉え方がちがっていたということだ。
つまり、読書やゲームが直接原因ではなく、読書やゲームをしすぎることによって、太陽光を浴びている時間が必然的に減ってしまう、ということが原因、との仮設。
経験より統計の方があてになる
これは非常に面白い。
自分は経験論に否定的で、その反対に統計には大きな信頼を置いている。
経験は、日本だけですら、1億人以上いる人のなかのたった一つの意見でしかないから、あまりあてにならない、というのが経験を否定的に見ている理由だ。
ある経験に対して、同じ意見を持った人同士は集まる傾向があるので、その中にいると、まるでその意見が一般的と勘違いしている状態もよく見られる。
「みんなそう言っている」の「みんな」は、詳しく聞くと、せいぜい数人ということが少なくない。
それに比べ統計は、リサーチ対象や調査量も同時に発表されるので、それを踏まえてその結果を捉えることができる。
リサーチ対象者のバリエーションと量、どちらをとっても1人の経験とは比べ物にならない。
統計は、読み方にもテクニックが必要
とはいうものの、統計にも弱点がある。
単純に、その統計はただしく調査されたものなのかというのは当然だが、統計をどう読み取るかによっても、間違いが起こる。
今回の近視の原因の様に、読書やゲームのしすぎの人に近視の人が多い、というのは統計上正しいのだろう。
しかし、このことから読書がゲームが近視の原因、と結びつけるのは早計過ぎる、ということだ。
統計に信頼を置いているとはいえ、統計学のことを専門的に勉強しているわけではない。
従って、統計を読み間違えるかもしれない。
改めて統計学の勉強をしてみよう。
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