テレビ、新聞といったいわゆるマスメディアの凋落が激しい。
視聴率もガタ落ち、発行部数も減る一方。
先日もこういったニュースが入ってきた。
発行部数を「水増し」してきた朝日新聞、激震! 業界「最大のタブー」についに公取のメスが入った (現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
マスメディアの慌てふためき様は、滑稽ですらある。
マスメディア業界も含め、いまだに縦社会構造が根強く残っている組織では、縦の「上」に位置している人間の柔軟性がなければ、組織は変われない。
そして、世の中が次々と変遷していくのに、組織が変われなかったら、世の中と組織の溝は深くなる一方で、その後淘汰されるのは目に見えている。
つまり、その組織の関わっている分野の変遷スピードが早ければ早いほど、溝が深まるスピードも早いわけで、マスメディアの関わっている分野においてそのスピードがどうかと考えれば、答えは明白だろう。
マスメディアのもつ「ハード」は、いまだ健在だが
組織構造、もとい人間関係などに照らしあわせマスメディアを見ると惨憺たるものだが、現実的な資金力や、人間関係を除いた組織力は、いまだ相当に大きい。
つまり、ソフトはダメだが、ハードは健在ということだ。
従って、ソフトさえ改善すれば充分に復活は可能で、ハードに比べれば、一般的にはソフトの方が変えやすいと言われるが、こと人間に至っては、むしろソフトの方が変え難いのかもしれない。
いわゆる「空気の力」というやつだ。
空気が、時に国を破滅させるほどの力を持つことは、歴史がいやというほど証明してくれている。
インターネットメディアは、ビジネスでなくても成立する
さて、前置きが長くなったが、マスメディアに代わってどんどん影響力を強めてきたのがインターネットメディアだ。
マスメディアと同じく情報を扱うが、その根本はあまりにも違う。
その違いを数え始めたらきりがないのでやめておくが、最も重要な違いの一つに「お金」関連があるだろう。
マスメディアは、基本ビジネスだ。
テレビであれば、スポンサーがいないと番組が成り立たない。
逆に言えば、スポンサーに対してはどうしても萎縮してしまう構造になっている。
スポンサーに不利な情報は、たとえそれが重要な情報であっても、開示しないというのは、ビジネスという側面では当然になってしまう。
自分の知り合いがラジオのパーソナリティーをしているが、スポンサーが大手のハンバーガーチェーンだった場合は、その番組中に「おにぎり」という言葉を発することですらNGだそうだ。
庶民からするとどうでもよさそうなことまで、このように規制がかかっていることを、庶民は意識していないだろう。
マスメディアから提供される情報には、相当なバイアスがかかっていると思っている方が良さそうだ。
新聞にも同じ構造の圧力がかかっているのは、想像に難くない。
反面、インターネットは誰でも発信できるメディアで、その情報をもとにビジネスを成り立たせる必要は特にない。
これはみんなに知ってもらいたい情報だ、と思えば、数クリックで拡散可能で、それを規制するものはほとんどない。
そういう意味では、バイアスがマスメディアほどはかからないだろう。
インターネットメディアの欠点
しかし、その情報が正しいかどうかの、発信元における検証能力は、マスメディアに比べれば落ちるだろう。
マスメディアは組織で動くので、新聞でもテレビでも、公開するまでに様々なチェックや裏取りがあることが多い。その中には、マスメディアの特権を利用しないと不可能なことも多々あるだろう。
インターネットメディアには、そんなチェックや検証は必要なく、数秒で公開されることもある。
そこには発信元不明のデマや嘘も多く含まれるが、個人でも発信可能なインターネットメディアの必然と言わざるを得ない。
テレビでも間違った情報はあるし、ものによっては八百長も疑われているのも事実だが、マスメディア全体が提供する情報に占める誤った情報の割合は、インターネットメディアのそれと比べると、低いのではないだろうか。
情報力をあげるために
だとすれば、正しい情報を獲得する能力、いわゆる「情報力」をあげるためにすることは何だろうか。
考えるにそれは、とにかく情報をたくさん仕入れて、振り分けるということに慣れていく、ということだと思う。
情報源はマスメディアでも、インターネットメディアでも、直に自分で確かめても良い。
それらをとにかくたくさんかき集めれば、各情報に自ずと矛盾が生まれる。
矛盾が生まれたら、それを解決するために、さらなる情報を探索する。
この繰り返しでしかないと思う。
数は力だ。
信頼おける団体や組織が発信した情報はいつも正しい、といったことが幻想でしかないことは、現在のマスメディアを見れば明白だ。
(ネット出現以前は、マスメディアはあらゆる面で「信頼のおける」組織だったはずだ)
だとすれば、信頼おける情報も、どうかな?と思う情報も一度全部収集してみて、自分で取捨選択する能力を高めていくことが、最も重要ではないだろうか。