リンク記事にもあるが、本当にやっと、やっとというところだ。
あまりにも待ちすぎて、この記事すら疑ってしまうのだが、今回は本気らしい。
日本の音楽市場は、アメリカに継いで世界2位。
その日本で、なぜこれほどまでに上陸が遅れたのか。
様々な理由があるが、その中で無視できないのが、著作権。
日本の音楽業界の特異性
音楽市場の先進国の中で、日本ほどCDレンタル業界が盛んな国はない。
TSUTAYA、GEOといった大手レンタルチェーンの品揃えは相当なもので、利用している人も多いはずだ。
「本当は」レンタルしたものは個人で楽しむのみで、それ以外に使用すると違法となる。
ところが、この法律をどこまで守らせることができるかというと、ほとんど無理に近い。
パソコンの普及により、CDからパソコンへのリッピングは誰でも簡単にできるようになり、データにさえなってしまえば、人とのシェアは数秒で可能だ。
データになってしまえば、それが書類なのか、画像なのか、音楽なのかという垣根が薄まるので、シェア可、不可の規制をするシステムの構築はかなり難しい。
以前、リッピング自体を規制するために、コピーコントロールCDも作られたが、利便性が酷すぎて、全く普及しなかった。
繰り返すが、シェアがダウンロードよりも楽だし(ダウンロードは、コピー防止をかけているものが多い)、なんといっても安い。
レンタルがここまで普及している日本では、こういった理由により著作権による規制が非常に曖昧だし、音楽業界もレンタル業者からの収益が無視できないほどの額になっているので、その曖昧さに拍車がかかっている。
レンタルチェーン、聴き放題サービス
聴き放題サービスは、当然レンタルチェーンからすると脅威だ。
定額で聴き放題となると、ダウンロード販売より安いというレンタルチェーンのアドバンテージを失う。
利便性は、かなりアナログな人間でない限り、圧倒的に聴き放題サービスのほうが上だ。
希望があるとすれば、品揃えだ。
音楽業界は、アーティストと消費者の間で中抜をすることによって成り立ってきた側面があるが、ダウンロード販売では、これらがかなり淘汰された。
それでもまだ成り立っているのは、ジャニーズなど、頑なにダウンロード販売をしないレコード会社があるからだ。つまり、CDの発売音源数(品揃え)が今でも他のサービスを圧倒している。
Spotify参入にも、ここが壁になることは間違いない。
曖昧な著作権を盾にすれば、曖昧だけに新規参入の壁にもしやすい。
しかし、品揃えの面で物理メディアを上回ってくると、もう物理メディアの未来は無いとい言って良い。レンタルチェーンも、ビジネスモデルの再構築を迫られる。
変化を嫌う者は淘汰される
こういった変化に対して、抵抗する業界、人々も多い。
その理由が既得権益の堅守だとすれば、この時代には間違いなく淘汰される。
それ以外に変化しない方が良い合理的な理由があれば別だが、そういった際に出される理由は、既得権益堅守のための口実にしかなっていない、ということを、一般の人ですら気付いている。
(CDが売れない理由をYouTubeのせいにしている時点で、レベルが低い)
音楽の素晴らしさは、音楽「自体」だ。
物理メディアだとか、データだとかいうことにこだわるのもありだが、音楽自体の重要性に比べたら、肥やし程度だろう。
そして、音楽はいつでもどこでも聞ける方向に進んでいるのも間違いない。
良くも悪くも。
アウトプットする方は、この変化をしっかりと受け止めなければ、未来は無いかもしれない。