日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

色紙をもらったことがない

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突然だが、自分は色紙をもらったことがない。
求めたことがないからだ。
 

ライブで衝撃、音楽の世界へ

 
今の職業が音楽なのは、幼少の頃から音楽が好きで仕方がなかったからだ。
今の世代はYouTubeを見てミュージシャンに憧れるひともいるのかもしれないが、自分たちの世代より上は、ミュージシャンに憧れるきっかけになるのは、ほとんどの場合ライブだろう。
インターネットがない時代なので、動いているミュージシャンを目にするのはテレビやビデオかライブしかなかった。
ビデオの殆どはライブものだったし、テレビもライブ的な要素が多かったので、やはり実際のライブ見たいという気持ちが強くなり、実際に好きなアーティストをライブで見て打ちのめされる、ということがたくさん起こった時代だ。
 
小学生や中学生で、明確に将来の人生設計をするはずもなく、気付いたら目指していた、というところだろうか。
 
はっきりと音楽の道を目指していることを自覚したあとは、少しでも音楽に関係ある環境を、と思い、楽器屋・ライブハウス・CDショップ・コンサートスタッフのなどの仕事をしていた。時給も待遇も恐ろしく悪かったが、好きな音楽のことだったので、大したストレスもなく、楽しく仕事をしていた。
 
音楽関係の仕事を続けていると、たまに超有名なアーティストに出会える機会に恵まれることがある。
その中には、自分は小さいことから憧れたベテランのアーティストもいれば、その時期のオリコントップ5にランクインしているような旬なアーティストもいた。
 
さらに、出会うだけでなく飲みの席に同席させてもらったことも何度もある。
その場では、隙を狙ってはアーティストと話す機会を作っていた。
音楽のルーツ、何がきっかけでプロを目指したのか、今まで最大の挫折、一生追いつけないと思うミュージシャン、今後の夢など、とにかくやたらめったら質問をした。
(自分は音楽に興味があるのと同時に、音楽をしている「ヒト」に興味があったのだ、と後で気付いた)
 

自分がサインをもらわない理由

 
こういった話をすると、さぞかし自宅にはたくさんのミュージシャンのサイン色紙があるのだろう、と言われる。
 
これが一枚もない。
なぜか。
それは、それに興味がないという理由だ。
 
サインを色紙にもらうというイベントは、有名人に直接出会ってしてもらうことの代表格になっている。
様々な音楽の職場で働いてきた自分は、その場面を数えきれないほど見てきた。
しかし、何度その光景を目にしても、サインをしているミュージシャンをかっこ良いと思えなかったのだ。
ミュージシャンは、ステージの上がとにかくかっこ良い。
ステージの上ならば、演奏していないとき、佇んでいるだけでもかっこよく見えたものだ。
サインをしている姿は、そんな自分には「作業をしている」ようにしか見えなかった。
 
他にも考えられる理由がある。
サインは、有名人ならまずもっているが、あれは各々が自分で考えたり、人に依頼したりして、サインを作るのが一般的だ。
手慣れたサインを書くミュージシャンを見ると、サインを書く練習をする姿を想像してしまい、その姿は自分の思っているかっこ良いミュージシャンとはかなり様相が異なるものだ。
 
あとは、サインを持っている人がそれを自慢しているのも何度も見たことがあり、直筆のサインをもっているということは、本人にあったことがあるということなので、そこを自慢しているということなのだろうが、よくよく考えて見れば何が自慢なのかさっぱりわからず、若干の嫌悪感を覚える、ということもある。
 
しかし、もちろんサインをもらうのが好きで、部屋にたくさんサインがあります、というのも人の価値観で、全く否定はしない。
あくまで個人的な意見だ。
 
音楽を仕事にしていることもあるので、実は結構サインを求められることもあるのだが、上記理由により自分はサインがない。
何か記念に、という意味だと思うが、自分の演奏が入った音源や、ライブを見た記憶が、その人の一番の記念になってくれたら幸いだ。