つまり、いきなりなんでも新しくすれば良いというものでもなく、移行期には、古いものと新しいものの組み合わせが重要になってくる。
すべての書類が手書きだった頃に比べて、今はほとんどのものをコンピュータ上で作成、配布、公開できるようになった。
かといって、世の中からいきなり紙をなくせるかというと、そう簡単にはいかない。
そこで発達したのがOCRソフトだ。
紙で作成した書類をデータとしてコンピュータに取り込む際に、文字データをテキストと自動的に解析できる機能だ。
データ全盛のこの時代でも、紙があることを踏まえてその架け橋的なソフトを作った、というわけだ。
最近自分が使っているソフトで、まさしくこの架け橋になってくれているのが、Eightという名刺管理ソフトだ。
Eightがインストールされているスマホで名刺を撮影(片面、両面選択可)すると、データ化し、中身を解析して住所録に登録してくれるアプリ。
紙の名刺(正直言ってこの時代に必要なのか?)と、管理が圧倒的な名刺データ、クラウドの架け橋的なアプリだ。
このアプリのすごいところは、データ解析の完璧さ。
上述したOCR機能、時代が進むに連れてその精度があがっているが、それでも完璧とは言えない。
特に名刺ともなると、そのフォントやレイアウトのバリエーションが豊富すぎて、完璧になるにはまだまだではないだろうか。
その点、このアプリは完璧と言って良い。
なぜなら、OCR機能を使っていないから。
そう、なんと人の手による手作業だ。
撮影された名刺を人が見て、人がひとつひとつ入力を行っている。
なんともアナログな方法だが、上述した状況を考えると、精度ではまだ人に軍配があがる。
(もちろん、人による2重以上のチェックはあっているはずだ)
架け橋とは少し違うが、データとしておくられてきた名刺画像を、人がアナログ入力して、名刺データ化かして返す、という全体をみると、アナログとデジタルの混合作業といえる。
有料プランもあるが、基本無料で使える。
紙の名刺よりも優れているところは、かさばらない、どこからでもアクセス可能なので、持ち運ぶ必要がない、などたくさんあるが、最も重宝しているのは検索機能。
社名でも、氏名でも検索可能で、これは紙の名刺管理では限界がある。
名前さえわかれば、検索は数秒で可能だ。
他、同アプリを使っている人同士をつなぐ機能もあるようだが、こちらは自分はまだ使っていない。
ただ、自動的につながった人が、自身の名刺情報を更新(役職が変わった、など)した場合に通知がくるのは便利だ。
アナログとデジタルの融合。
新旧の融合。
こういう発想がないと、あまりにも突然システムを変えると、コストなどの表面的な問題に加え、心理的なアレルギー反応を起こす人も多いだろう。
結局世の中は(多少危険があっても)便利な方に進む。
だとすれば、できるだけソフトランディングを心がけたい。