夏になると、怖い話が話題になる。
ゾクっとするから、涼しくなるということで夏に流行るらしい。
流行る理由からしてどうかな、と思うが、今回は怖い話、幽霊について。
死後の世界は、誰も見たことがない。
だから、死んだ後のことはどんな優秀な科学者でも霊能力者でもわからない。
幽霊については、このスタンスが最も大切だ。
基本的に、今言われている幽霊のほとんどは嘘か錯覚だとみなしている。
なぜなら、目撃情報に偏りがありすぎるから。
髪の長い色白の女の人が多すぎる。
なぜ、色黒の坊主の男性の幽霊はあまり現れないのか。
それから、脚がない幽霊の目撃例も多いが、あれは日本だけだ。
日本に永住した外国人の霊は、足を見せるかどうかの選択的自由が与えられるのだろうか。
しかし、幽霊という存在自体は、死後の世界を誰も見たことがないので、完全否定は出来ない。
つまり、世の中には解明されていないものがまだまだあるということだ。
わからないことは、根拠のない仮説(怨恨の魂がここに残って、的なやつ)をたてる必要などない。
ところで、人は得体の知れないものを恐れる生物だ。
オーロラやハレーすい星は、そのメカニズムがわからない頃は、神の祟りだとか、毒を放出しているだとか言われ恐れられていた。
それが今ではどうだ。
オーロラが見られるところは有名な観光地に、ハレーすい星をビッグ天体ショーだ。
幽霊の場合も、そのメカニズムさえ解明されれば、いまの神霊スポットが、そっくりそのまま観光スポットに変わる可能性も十分にある。
オーロラやハレーすい星と違い、幽霊は死後の世界と密接な関係がある(らしい)ので、そう簡単には解明されないのは否定できないが。
そういった歴史を考えれば、幽霊も特段怖がる必要がないものだとも言える。
そうはいっても、人の恐怖心は理屈では片付けられないので、怖いものは怖いだろう。
もし恐怖心に論理性を求めたら、自動車よりもはるかに事故率の低い飛行機を怖がることや、犬よりもはるかに安全なゴキブリを怖がることが、すべておかしなことに変わってしまう。
夏の怪談。
それは夏の代表的な風物詩といってもおかしくないくらいの地位を獲得している。
実際に幽霊がいるかどうか。
それを怖がることの非論理性。
これらは、エンターテイメントという側面ではまったく問題ない。
存分に怖がって夏の暑さを凌げは良い。
しかし、実際の話とはまったく違う次元で存在する文化ということも、頭の片隅に置いておいたほうが良いのではないだろうか。
いや、そんな必要もないのか、、、