「夫の実家に帰省したくない」お盆の妻の憂鬱と本音
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160812/biz/00m/010/001000c
本当に現代の記事なのか、と疑ってしまうくらい、中身が一昔まえのことを伝えているように感じる。
帰省したくない理由の一番、道路の混雑はさておき(これは国に頑張ってもらうしか無い)、配偶者の親や親戚に会うのがいやだからというのは二番らしい。
結婚の捉え方
まず結婚していない女性では、結婚を急かされたり、孫の顔が見たいと言われたりするということ。
結婚は素晴らしいものだと思うが、人から言われてするのではない。
結婚してなくても幸せな人はいくらでもいるし、結婚して不幸が始まった人もいる。
そんな多様性が認められる時代ではないのだろうか。
嫁、母親に男はどう接するか
結婚後の、夫の実家帰省は、男性はかなり気を使うべきだと考える。
なぜなら、自然に振る舞うと、結果マザコン的になるからだ。
典型的な家庭に育った男性ならば、親、特に母親からのしつけをうけてきただろう。
血もつながり、同じ屋根の下で20年くらい過ごしてきたのが、親子の関係だ。
それに対して、夫婦の関係はどうだ。
いくら愛し合っているとはいえ、血も繋がっていないし、違う環境で育ってきた関係だ。
価値観の不一致も当たり前で、夫婦関係はその不一致を、「歩み寄り」というカタチで解決していく営みと言える。
それが、実家に帰ったら、愛情以外の絆が明らかに強い関係が、夫と母親にはある。
ちょっとしたことで母親と嫁が揉めたとしよう。
このとき、事情をきいたら、それはどちらかというと母親の方が正しいのではないか、と思ってしまう男性も少なくないはずで、それは上述した理由では仕方のないことだ。
しかし、親子の関係とはいえ、結婚して家を出たら、基本的には新しい方の家族を軸に人生を設計すべきなのも事実。
では、どうすればよいか。
価値観が嫁と母親でずれたときは、嫁の方に耳を傾ける様に気を使うしかない。
自分の自然な価値観だと、マザコン的になるし、それに気づいていない男性も多い。
社会、育児参加の父親、働くということ
帰省の電車の中での件は、社会の理解と、父親の理解、それから「働き方」の問題がすべて絡んでいる。
公共の場所だから、人に迷惑をかけないようにするのは当たり前だが、不可抗力ならば受け入れるくらい、むしろ支える位の社会を理想としたい。
泣く可能性のある子どもを持った親は、公共交通機関を使うべきではない、という社会は、まったく健全な社会とは言えない。
育児の大変さはやってみないとわからないが、やってみてもらうまでは、やはりコミュニケーションだ。
仕事が大変だから、育児を母親が1人でやってくれる、と簡単にいくほど育児は単純ではない。
書籍、ネットなどを通じた育児の情報に触れれば、そんなことはすぐに分かる。
明らかに勉強不足だ。
仕事が遅かったからしんどくて、という理由で育児参加を拒否するのは、遅い、しんどいのが働くこととして当たり前、という捉え方のようにも見える。
育児参加ができないくらい残業が続いたり、しんどかったりする仕事ならば、その仕事自体を疑う視点も必要だ。
高齢者を支えるためにしなくてはいけないことは何か
義母の「働く嫁が気に食わない」は、論外。
少子高齢化と、女性社会進出には、まったく関係がないことは様々なデータで既に検証されているし、年金によって高齢者を支えていくためには、むしろどんどん働いてももらわないと困る、くらいのことだ。
また、これも夫がしっかりと間に入って、双方に気を使うべきだ。
お盆のありかた
お盆に実家に帰ることが良いことかどうかは各々が決めれば良いと思うが、実家に帰らなくてはいけない空気があるのに、その空気が淀んでいる、という状態は改善されるべきだ。
もしかして、お盆は実家に帰るのが当たり前、ということも考え直す必要があるかもしれない。