日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

没頭力と諦め力

自己啓発本のタイトルのような雰囲気が漂うが、この時代に最も必要な2つの力だと感じる。
 
先日久しぶりに再会した知人を見てそう感じたのだ。
 
彼は、年齢は30歳。
アルバイトをしながら、いずれは自らの「何か」で生計を立てていきたいと思っている。
 
その軸となっているのが、音楽。
 
しかし、音楽で生計を立てていきたいと言っても、それだけでは範囲が広すぎる。
 
武道館に出演出来るような抜群の知名度を誇るアーティストから、CDショップの店員まで、音楽関連の職業と言っても数えきれないほどの職種があるのだ。
 
その各々は、スキルとしてお互いにかけ離れているものもあれば、密接に関係しているものもある。
 
よくある勘違いは、ラージコンソールと呼ばれる大きな機材の前で緻密な音作りをしているレコーディングエンジニアは、作曲もできる、と思われがちなこと。

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当然、エンジニアの中には作曲を出来るひともいるが、エンジニアのスキルと作曲のスキルは基本的には関係ないので、全く作曲ができないエンジニアも多い。
 
話がそれたが、要は音楽で生計を立てていくと言っても、ある程度は具体的なことも決めないと、時間がたりないのだ。
 
彼は、ギター、歌、英語、DTMを習っている。
 
この4つを習っていることが問題なのではなく、これらのうち、どれが軸なのかを、本人ですら気づいていないということだ。
 
なんでもやっておいた方が良い、というスタンスで習っていると言うのだが、時間は限られているので、習い事が増えれば増えるほど、一つに割ける時間は減る。
 
そもそも、本当に自分がやりたいことが見えていないので、とりあえず何でも習ってみる、ということをする年齢としては、若干歳をとりすぎではないだろうか。
 
第一、4つとも習っているということは、つまり4つともいまだにインプットでしかない、ということだ。
 
どんな職業に就いている人でもわかるだろうが、学ぶことは現場の方が多い。
もちろん、現場に行く前に学習してある程度のスキルを身につけておくことは大切だ。
しかし、比重としては現場ではないだろうか。
 
ちなみに、彼が音楽で生計を立てたいと思い始めたのは10年前。
10年間で、音楽で稼いだお金は0円。
逆に習い事などにつかったお金は、、、あまり想像したくない。
 
何かに没頭することは、時間が有限だということを考えると、何かを諦めざるを得ないということになる。
 
かくいう自分自身も、時間さえもっとあれば、やりたいことは山のようにある。
しかし、もっともやりたいことのためには、他のことを諦めるしかないことはあって当然だ。
 
中には、上記4つともをすべて極みのレベルまで達することが出来た人もいるのかもしれない。
 
しかし、それはいわゆる天才だ。
 
10年やり続けて、スキルが上がった実感が自分自身にすら無いのならば、残念ながら天才ではないことは明らか。
 
天才でなくても、音楽で生計をたてていけている人はたくさんいる。
しかし、それ相応の時間、お金、労力をつぎ込んでいるからこそ成せる技だ。
 
習っている段階では、それは何も生み出さない。
ギャンブルに行ってお金を使っていることと何ら変わらない。
 
経験論を振りかざす人は危険だ。
それは、その人の経験でしかないから、一般性はない。
 
一方、自分の経験は、自分の鏡だ。
10年間やり続けても目が出ない、という現実はしっかりうけとめないと、なにも変わらない。
 
変わらなくても良いのならば別に構わないが、自分を変えたいのならば、今後没頭力と諦め力を磨くしかないだろう。