公共交通機関を使ってどこかに行くというのは、毎日利用している人にとっては、その名の通り「日常」なのだろうが、自分は普段車移動ばかりなので、新鮮そのものだ。
子供の成長を毎日隣で見ている親には気づかない変化に、久しぶりに会う人がよく気づくように、大した変化でなくても、何かが変わっていたら大抵気づく。
車内や駅、バス停などの設備やデザインはもちろん、車内放送の声が少しでも変わっていたら気づいてしまう。
中でも面白いのは、広告宣伝の類。
これは、自分が普段からテレビすら見ないので、おそらく有名であろう、知らない人がでかでかと広告に載っていると、人気があるのだろうな、と勝手に想像したりする。
また、金貸しの広告なんかが多いと、まだまだ日本は不況というのを表しているのかな、と考えもする。
真偽のほどは定かではない。
それから、マナー的なもの。
車内での携帯使用、ベビーカーやマタニティーの対応、それらに対する注意書きなども面白い。
以前よりは細かく書いてある印象を受ける。
結構混雑しているのに、椅子の上に荷物を置いている乗客の前に、中学生が書いたマナーを喚起するポスターなんかが貼ってあるのは、今も昔も変わらない。
(変わらないということは、その方法に問題があるということになるのか)
公共交通機関を使った移動には、他にもメリットがあった。
車ではまず通らない道を通ることだ。
それはつまり、知らない店を見つけることに役立つ。
徒歩や自転車でないと気づかない店は意外に多いもので、しかもなんとなくだが、そういった店には良い店が多い気がする。
そもそも、車というのは所持しているだけで結構お金がかかる。
最初に安くない車体代を払った後、駐車場代、保険代、税金、ガソリン代までは確実にかかるコスト。
さらに、お金には現れない「危険」というコストも見逃せない。
使う環境にもよるだろうが、一説によると車を所持せずに、全てタクシーで移動しても、車所持よりはコストが浮く、というものもある。
こちらも「危険」のコストはあるものの、素人が運転するよりははるかにリスクは減るだろう。
そういった背景があって、自動運転車の開発は進むし、カーシェアリングも普及してきたのだろう。
移動手段にもバリエーションがあって良い。
上述したように、車は何かとコストがかかるが、それでも自家用車でないと困る、という人もいるだろうし、単純に所有欲が強い人も多いはずだ。
選択肢はたくさんあればあるほど、いろいろなことに対応できる。
せっかく色んな選択肢から移動手段を選べる時代なので、あえてきまぐれに移動手段を選ぶのも面白い。