子どもを物心つく前から英会話教室に通わせ、英語力を鍛えさせている親が結構いるくらい、世の中の英語の需要は高い。
世界共通語なのはもちろんだが、ここ最近特に需要が増えたのは、やはり情報のせいだろう。
これは2015年11月時点でのインターネット上の主要言語を表したグラフだが、やはり英語と中国語が突出している。
(中国は、人口があまりにも多いので、平等に比較することはできない)
そもそもプログラミング自体が英語だ。
以前からの需要要因である、字幕無しで映画を観たい、海外旅行でスムーズに会話がしてみたい、といったものに加えて、この要因が加わった。
今後も英語の需要は減ることは無いように思える。
英語は比較的「簡単」らしい
英語がなぜ世界共通語なのか。
それは、国家の覇権などが絡む、いわゆる「大人の事情」的なものもあるのだろうが、そのあたりは詳しくは知らない。
しかし、その原因の一つに、「簡単だ」ということはある、とは聞いたことがある。
確かに自分も、海外に行った後英語を教科書で勉強していたが、その教科書に出てくる英文をそのまま会話のなかに使っても、特に違和感がなかったようだ。
そんなの当たり前と思うかもしれないが、逆に海外の人が日本語の勉強をするときにつかっている教科書をみたら、そう簡単でないと感じた。
その教科書にのっている会話は確かに通じるし、もちろん正しいのだが、正しすぎて堅い。
英語と日本語以外は話せないので分からないが、日本語は口語の中にさえ、正しいものからフランクなものまで幅広いバージョンが存在し、日本人はそれを絶妙に使い分けている。
簡単に言えば、相手がとても仲が良い人、最近出会った異性、親戚などでは、自然と語り口が変わる、ということだ。
英語にもそういったバージョンがないわけではないが、日本語ほどそのバリエーションが広いとは思わなかった。
(自分の英語が未熟で、それに対する知識が甘いということもあるかもしれないが)
「Yes」と「No」に気をつけろ
そんな「簡単だ」と言われる英語習得に際して、自分が最後の最後まで難しいと感じたのは、「Yes」と「No」だ。
「はい」と「いいえ」に違いないのだが、これら2つの単語は、日本語でも英語でも超頻出単語故に、使い方が微妙に違うと、それを調整するのに苦労する。
海外に行って、ある程度英語が分かるようになってきたときに、サンドイッチ屋でバイトをすることになった。
海外にはよくあるスタイルのサンドイッチ屋で、ガラス張りのカウンター内にある食材を客が選んで、それをカウンター内にいる従業員がパンにはさんで提供するというスタイル。
似ている店をあげれば、SUBWAYだろう。
そこでの会話
自分「No pickles?」(ピクルスはいりませんか?)客「Yes」
ピクルス以外の単語はYesとNoしかないので、簡単な会話に聞こえる。
しかし、客のYesの意味がわかるだろうか?
これは、ピクルスが「いる(必要)」という意味だ。
日本語だけで考えると、
自分「ピクルスはいりませんか?」客「はい」
この客がピクルスがほしいのかどうかは自明。いらない、のだ。
しかし、英語では反対になる。
なぜなら、「Yes(No)」と「はい(いいえ)」の意味が少し違うからだ。
英語のYesは、そのセンテンス全体が肯定になっていることを意味する。
つまり、質問が「No pickles?」とだろうが「(Would you like) pickles?」だろうが、それにかかわらず、ピクルスがほしかったら「Yes」、ほしくなかったら「No」となる。
一方日本語の「はい(いいえ)」は、相手の質問や提案にたいして、同意するかどうかを示している。
つまり、質問内容に依存した答えとなる。
だから、「いりませんか」という質問に「はい」と答えると、いりませんかという案に「同意した」ということになるので、いらない、と導き出されるのだ。
これは学校の英語教育でも習う内容だが、実践ではかなり苦労する。
反射的に判断すると、ほぼ間違える。
今でも間違える。
座学だけで、テストの点数は上がっても、会話力が伸びないのは、結局こういうところにあるのかもしれない。
わかっていても、すぐに反応できないのだ。
よって、スムーズな会話が出来ない、会話力が上がらない。
これから英語を学ぶ人は、決してYesとNoを軽視しないよう。
まったく反対の意味なので、その内容によっては大きなトラブルになってしまうかもしれない。