成績のよい子、という言葉に反応してしまう。
言葉狩りと言われてしまえばそのとおりなのかもしれない。
決められている解答にたどり着けるかどうかがものさしになる「成績」。
これが大切ではない、と言っているわけではない。
しかし、より大切なのは、何に疑問を持つか、ではないだろうか。
大学入試で満点を取れる人間育成よりも、その入試問題作ることができる人間育成の方に力を注ぎたいものだ。
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それはさておき、記事の内容には驚かされる。
あくびがでる、眠い、から、なんと横になりたいまである。
いくら記憶をだどっても、小学生のときに、昼間横になりたい、と思ったことなんてない。
記事ではその理由に睡眠不足を指摘している。
睡眠は健康にとって不可欠で、個人差はあるものの、一定時間以上の質の高い睡眠が健康的な生活をもたらしてくれることはどうやら間違いないようだ。
(それが何時間なのかは、年に数回ネット上で議論になっている)
しかし、自分としては少し別の側面から捉えてみたい。
幼少期の子どもは、その成長段階において、驚くほど大人を観察している。
そして、驚くほど真似る。
言動、行動問わず、何でも真似る。
親という立場の人間ならば、自分の子どもに自分の癖をコピーされた経験があるはずだ。
記事に出てくる、横になりたい。
子どもがこんなことを言うのは、その子どもの生活の中に、夜でないのに横になっている人がいるからだ。
自分を例に出して申し訳ないが、自分の両親は、仕事が休みの日でも、家でゴロゴロしているところなど見たことがない。
朝から活動的に動き回っているし、暇さえあれば「お出かけ」していた。
横になる、なんていう選択肢はまるでなかった。
おそらくだから、自分の幼少期の記憶を辿っても、横になりたいと思った事がないのだ。
親、先生といった教育に携わるひとたちは、子どもに向かって何かを言う時に、一瞬鏡を見るべきだ。
テレビばっかりみていないで、外で遊んで来なさい。
そう言っている人は、時間が空いた時にテレビばっかりみていないか。
子どもは風の子、元気な子、と言うが、大人だってエアコンの使い過ぎは全然よくない。
小学生の頃、エアコンがない教室で授業を震えながら受けていたのに、職員室にはしっかりとエアコンが効いていたのをみて、とても理不尽だと感じた。
大人にできないことを子どもだからという理由で命令するのは、実はまったく根拠がない。子どもだって暑いし寒い。大人だって走り回ったほうが健康的だ。
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睡眠不足が子どもの発育に悪影響を及ぼす、と警鐘をならすのならば、まず大人が手本になるべきだ。
いろいろ理由をつけて睡眠不足やゴロゴロしていることを正当化したって、子どもには響かない。
正当化するのがうまい大人が出来上がるだけだ。
www.famo-seca.club
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