まさしく夢のような話です。
要は、先進国だけでなく、新興国や僻地に住んでいる人にも、ネットワークを平等に届けるための仕組み作りですね。
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私たち日本人は、主観的な好き嫌いを除けば、かなり恵まれていると思います。
もちろん、細かいところを具(つぶさ)にみていけば、そうとも言えないこともあるでしょう。
しかし、水と安全が無料(タダ)と思っている日本人、と皮肉っぽく言われるのは、実際に水と安全が無料で手に入れられている現状があるからで、そこだけ考えてみても十分に恵まれていると言って良いと感じます。
生活に欠かせない水に関して言えば、水道が飲料として使ってよいのは世界でも15カ国だけだそうです。
世界でたった15カ国?!国交省が指定する安全に水道水が飲める国まとめ - LAFY [ラフィ]
日本はその中でも抜群の清潔度をほこる水道水を作っています。
海外の人に言わせれば、なぜ日本人がわざわざ割高のミネラルウォーターを買うか理解できないそうですね。
安全もそうです。東京五輪招致の際、日本側の誰か(誰か忘れました)が、日本は財布を落としても戻ってくる国だ、といった趣旨のことを言っていましたが、そのとおりですね。
100%戻ってくるわけではありません。
しかし、多くの海外は100%近く戻ってきません。
そんな日本では、自分のコンピュータをネットワークに繋げて情報を得ることも発信することも、大したコストもかけずに可能です。
ブリタニカが百科事典を売ることをやめましたが、重たくて場所もとる百科事典とは比べ物にならないほどの量、しかも新鮮な情報がインターネットから引き出せる時代には、たしかに百科事典を購入する人は少なそうです。
情報は、あらゆることに役立ちます。ビジネスでも芸術でも災害時にでも、どんなときにも役立ちます(当然リテラシーは必要ですが)。
しかし、その情報を得やすさには、世界に格差があるのが現状ですね。
上記したように、新興国にはネットワークインフラを整えるお金も技術も足りていませんし、僻地は地形的に困難です。政治的な理由がインフラの壁になっている国もあります。
人は生まれながらにして平等、、、では、残念ながらありません。
上に書いたような日本人の恵まれ方が世界平等でないことは明白です。
極端な例ですが、産まれて間もない乳児を抱えたまま、飛び交う銃弾から逃げ続けなければいけない人たちもいます。
この瞬間にも、です。
しかし、理想という概念は、その方向を見据えるためにあります。
現実的にムズカシイ、ということばかりを言っていると、理想の存在意義はまったくなくなってしまいます。
現実的にムズカシイ理由がもしテクノロジーに起因するのならば、将来的には理想形になるかもしれない、という期待を抱くことができます。
だから、理想の存在意義はあります。
それに、「頭で考えたことはかならず現実化可能だ」とも誰かが言っていました。
(誰かは覚えていません・・)
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冒頭の記事にあるプロジェクト。
これを、インターネットが出現するまえに言ったら、多くの人が「理想論だ」と鼻で笑ったかもしれません。
でも、それを鼻で笑わず、真剣に考えた人や組織だけが、理想に近づく可能性を手に入れられるのでしょう。
現実を受け止めていきていくこと。
理想を夢見ること。
大切なのは、どちらかを選択することではなく、どちら「も」選択することではないでしょうか。