今はコンビニはもちろん、スーパーや一部の個人経営の店ですら、レジがバーコード読み取りになりましたね。
若い人は知らないかもしれませんが、私が小学生位の頃まで、ほとんどのスーパーは、まだ手打ちでした。
手打ちとは、その名の通り商品を手でレジ入力するのです。
入力するのは値段だけでなく、商品番号も一緒に入力します。
商品番号には、その商品の分類などの情報が紐づけされていて、売上の分析などにも使えますし、なにやら難しいことにも使えるそうです。
詳しくは知りません。
しかし、人が手で打つものなので、もちろんミスがあります。
新人であれば当然ですが、どれだけさばけるスタッフだろうが、ミスはあります。
バーコード読み取り方式は、値段も商品番号もバーコードに埋め込まれています。
それをセンサーで読み取るので、値段や商品番号を手打ちする手間も、ミスもありません。
これだけ聞くと、今のレジがほとんどバーコード読み取りになったのは至極当然となりますが、私が小学生くらいの頃は、その過渡期でした。
店によって手打ちかバーコード読み取りかが違ったし、同じ店でも、複数台のレジがあるところは、その数台がバーコード読み取り式で、残りは手打ち用、なんてこともありました。
私は、昔からテクノロジー好きだったので、そのバーコード読み取り式のレジをしげしげと眺めていたものです。
ところで、たまに店員に、えらくさばける人っていますよね。接客もばっちりだし、仕事は早いがミスはない、という人です。テクノロジー的な用語で言えば、スペックが高い人です。
レジ打ちにまだバーコード読み取りが導入されていない頃、さばける店員の要素は、その早さと正確さでした。
そして、うちの近所のスーパーにも、そのさばける店員がいました。さばけることで有名で、多少並んでいても、その人の打つレジに並んだほうが早く済むこともあり、有名でした。
その店にも、最先端技術を盛り込んだレジが導入されます。
そう、バーコード読み取り式のレジです。
記憶が曖昧ですが、確か5台中2台がバーコード式になりました。
ある日、さばける店員が手打ちのレジ、そのとなりに普通の店員が立つバーコード読み取り式のレジ、ということがありました。
これは、面白い。
つまりこれは、さばける店員の手打ちを、最先端技術は超えられるか、という戦い(?)です。
大体同じくらいの買い物量の人が同時に清算を始めたところを私は見逃しませんでした。
結果は、、、さばける店員の勝利。おめでとう。
しかし、注目すべきはその差です。
なんと僅差だったのです。誤差の範疇と言っても良いくらいです。
そもそも、買い物量も大方同じくらいというだけなので、勝利とも言えないかもしれません。
手打ち同士だと、圧倒的に差がついていたのに、ほとんど変わらないくらいに縮まったのは、一重に技術のおかげです。
さばける店員もすごいと思いましたが、技術も凄い。
つまり、さばける店員がこの技術を使うと、とんでもない効率化が実現するわけです。
あれから20年以上の月日が流れました。
バーコード読み取り式の方は、テクノロジーなので例外にもれず進化し、搬送するまでのスピードも飛躍的に上がりました。今ではいくらさばける店員でも、さすがに敵わないでしょう。
テクノロジーの進化で、人が馬鹿になっていく、だめになっていくということを言う人がいます。
この例ではつまり、さばける必要がなくなる、ということを怖れているということです。
しかし、どんな状況におかれても、その状況下でさばけるかどうかということは必ず重要視されます。
とはいえ、久しぶりにあのさばける店員の手打ち入力を見てみたいものです。