世の中が便利になっていくなかで、そのデザインも変わるのは当然ですね。
デザインは、変わる前後で、機能ほど明確な差異がないので、気づいたら変わっているということも結構あります。
Appleの創業者、スティーブ・ジョブズはデザインも機能だ、という趣旨のこと言ったらしいですが、そうだとするとデザインも終わるとのないアップデートが繰り返されるのでしょう。
そう思う側面を生活の中に見つけることができました。
手元にあるハードディスクレコーダーのリモコン。
メーカーはS社で、知らない人がいないと言ってよいほど有名な、そして大きな会社です。
この会社のリモコンを見ると、ほとんどが日本語表記です。
使ってある用語も専門用語はほとんどありません。
「見る」「予約する」「メニュー」など。
さらに、よく使いそうなボタンは、惜しげもなく大きくレイアウトされ、その文字も太く、わかりやすさを全面に打ち出したデザインです。
そんなの当然と思うかもしれません。しかし、昔からAV機器が好きだったので、これが以前は当然でないことを覚えています。
以前のAV機器がどうだったかは、今でも知ることが出来ます。
もちろんネットでも検索できるし、リサイクルショップにいくと、意外とのその時代の製品も少なくありません。
簡単に言えば、欧米にかぶれていました。
ほとんどが英語表記。そして、わかりやすさよりもデザイン性を重視してか、ボタンや文字の大きさには、統一性を持たせていました。
それはそれでデザイン性がありましたが、説明書を読まないと使うのは困難で、それがAV機器をマニア向けのものにしたという要因もあるでしょう。
そんなことを考えながらなんとなくトイレにいくと、そこにはスプレータイプの消臭剤が。
それは、よーく見ると「shoshu・・」と書いてあります。
スプレーのカタチも色も、文字のデザインも、明らかに見やすさよりもデザイン性を追求しているのがわかります。
これは、そうでない消臭剤が今でも多く見かけられるのでわかりやすいと思います。
でも、考えてみれば、トイレに置いてあるスプレーを消臭剤以外の何かと間違えることはないでしょうし、もちろん使い方もなにもありません。
そして、トイレだっておしゃれな方が良いに決まっています。
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使いやすさを追求したデザイン、おしゃれなデザイン。
それぞれのデザインの「意味」が見直されて、AV機器や消臭剤は今に至っているのでしょう。
このようにアップデートされるデザイン性を身の回りで見つけるのは、結構楽しいですね。
もちろん、今後はおしゃれと使いやすさを併せ持ったデザインが求められていくのでしょうね。