結婚して、子供ができてからのお出かけとなると、これまで見てきたものも違って捉えられるようになります。
まだ歩けない子供がいるとベビーカー必須ですが、ベビーカーはバリアフリーでないと移動に困ります。
この困り度合いが経験して見ないとわかりません。
例えばデパート。
デパートには大抵エレベーターとエスカレーター、それから必ず階段が設置してありますよね。
一般の方は全て使えます。
一般の方は、上下階へ移動が少ない場合はエスカレーター、多い場合はエレベーターを使うことが多いようです。階段はあまり使われません。
デパートのエスカレーター、エレベーター、階段のある場所も、そのような使い方に見合うレイアウトになっていると思います。
一方ベビーカー利用者は、エレベーターの選択肢しかありません。
たったワンフロアの移動でもエレベーターです。
こういう事情があるので、エレベーターには「ベビーカーや車椅子の方優先」という文言が書いてあります。
恥ずかしながら、あの文言をリアルに理解したのは、自分が優先されてほしい立場になってからでした。
ベビーカー利用者にはエレベーター移動以外に選択肢がない、ということに気づいていなかったのです。
おそらく私と同じような人はいるのではないでしょうか。
ちなみに、ベビーカーのエスカレーター利用は危険なので禁止されていますが、それでも尚エスカレーターを使っている人を時々見かけます。
ダメだとは思いますが、たったワンフロア移動になかなか来ないエレベーターを待ち、やっときたと思ったら満員で乗れない、ということが続くと、強引にエスカレーターを使いたくなる気持ちもわからないでもありません。
デパートに限りませんが、家族を客のターゲットにする場合は、ベビーカー対策は必須ですが、これにどのくらい本腰を入れて取り組むかは、ある程度の権限がある人の中に子育て経験者がいることが重要です。
サービス施設は取り組まないといけないことが山ほどあるので、子育て経験者がいない中で会議が進むと、「エレベーターにベビーカー、車椅子優先っていう貼り紙しておけば?」といった投げやりな対策しかとられません。
実際に私は、デパートでワンフロア移動するのに、ベビーカーを押していてエレベーターしか使えないこともあって、なんと40分もかかったことがあります。
これでは買い物に行く気なんて失せてしまいます。
そのエレベーターにはデパートの従業員も乗っていましたが、明らかに健常者と思われる人で満員のエレベーターの前で待ち続けるベビーカーを連れた私のために何か行動を起こしてくれることはありませんでした。
家族向け施設に必要不可欠なことは、ある程度の役職の人間の中に最低1人は育児経験者を入れることだと思います。
もちろん、育児経験は中身がちゃんとあるものであって、子供がいるだけ、というのではその気持ちはわからないと思います。