本はほとんどネットで買うので、本屋さんに行く機会もぐんと減りました。
本屋さんの雰囲気が好きなので、大手書店も個人経営の店も続いて欲しいとは思いますが、続いてもらうためには私たち本好きが本屋さんに足を運んで、一冊でも多くの本を買うのが一番です。
とはいえ、やはりネットの便利さはものすごくて、ついついポチって購入の方に流れてしまいます。
そんな私たちをなんらかの形で刺激する対策を本屋さんには考えて欲しい。
他力本願ですが、本当に「他」なので、仕方ありません。
ということで前置きが長くなりましたが、先日本屋さんに行ってきました。
結構大きな書店です。
ずいぶん前、本屋さんに足繁く通っていた時、自己啓発本の平積みの多さにびっくりしましたが、それが依然として変わっていないことに、これまたびっくりしました。
あれほど平積みされている、ということはそれなりに需要があると考えて良いのでしょうか。
自己啓発本は、読んで字のごとく、自己を啓発したい人が読む本ですよね。
でも逆に言えば、自己を啓発したい人全体に対しての一般論でもあります。
でも考えてみれば、ある方法や考え方の一般論化って土台無理じゃないんですか。
たくさんではないにしろ、それなりに自己啓発本にも目は通したことがあります。
そこに書いてあることは、さすがに書籍になっているだけあって、なるほどーと唸ってしまうものが多く、少なくとも嘘や間違いはあまり書いてないでしょう。
でも嘘や間違いがないことと、自分にとってためになることは違います。
多くの人にためになることと、自分のためになることが違うことも多々あります。
音楽の場合、、、
作曲家の姿勢として、流行りを気にせず、自分の内へ内へ意識を潜らせていくことが、結局は良質な作曲につながる、と説く人がいます。
これは嘘でも間違いでもありません。
しかし、自身が作曲家ではなく、事務所のマネージャーならば、流行りを気にしない訳にはいきません。
当たり前です。曲を流行り乗せ、そこから生まれるお金で運営しているわけですからね。
これを、「音楽」という枠をとっぱらって一般化すると、
・流行りに流されるな、自分自身を見つめろ
・世の中の動向をつかみ、傾向と対策をたてろ
という矛盾した項目が出来上がってしまいます。
つまり、書いてあることが嘘でもなく間違ってもいなくても、それが自分に役立つかどうかはわからないということですね。
これに対する方法は二つしかないと思います。
一つは、かなりの自己啓発本を読みまくること。そうすると当然矛盾が生まれてくるので、結局自分で考えるしかなくなります。
もう一つは、読まないことです。本に書いてある不特定多数(厳密に言えば自己を啓発されたい人に限りますが)向けの文章よりも、自分のことをよく知っている人の意見の方が、コスパは高いと思います。
もっともよくないのは、数冊の自己啓発本を読んで思いっきり傾倒しちゃうことですね。これは時に、危険思想にもつながっていきます。
たくさん読む気がないのならば、自己啓発本はやめておきましょう。