これは、コンピュータを使って音楽を制作する上で使うソフトで、今巷に溢れている音楽のうち、DAWソフトを介していないものは皆無、といってもよいくらいです。
しかし、オフィス系のソフトやブラウザ、メーラーに比べてDAWソフトは、いくら音楽がメジャーな文化とはいえ、認知度は決して高くないでしょう。
Chromeというウェブブラウザの名前と、CubaseというDAWソフトで世界的に有名なソフトの知名度には相当に差がありそうです。
だからこそ、なのかもしれませんが、ネット上にも情報はまだまだ少ない。
Chromeの使い方は、それこそありとあらゆる人がネットで紹介していますが、それに比べるとDAWソフトの使い方の情報量は少ない。
その理由は知名度だけではなく、実際に複雑だから、というところでしょう。
今回の記事は、DAWソフトの使い方などを紹介したいわけではなく、音楽制作と仕事の仕方を重ねて考えてみる、という試みです。
上記したように、DAWソフトは一朝一夕で使えるようになるものではありません。
詳しい人に教えてもらったり、書籍を参照したりしながら学んでいくしかありません。
逆に言えば、それが使いこなせるのは一つのスキルとみなしてよいと思います。
一方、曲を作るという行為自体は、DAWソフトを使えなくてもできます。
ギター一本で名曲を作る人もたくさんいます。
考えてみれば、コンピュータが出現するよりずっと以前から音楽はあったし、その頃にも名曲はたくさん生まれてきたので、当然といえば当然です。
しかし、この当然のことを渦中にいる人の一部は忘れています。
つまり、DAWソフトのスキル=作曲能力と勘違いしている、ということです。
これは、DAWソフトより若干知名度が高い、グラフィック系ソフトを例に出すとわかりやすいのかもしれません。
例えばアドビのイラストレーターをいくらつかいこなせても、そもそも頭の中にクリエイティブな発想がなければ、デザイナーとしてやっていくのは難しい、ということです。
DAWソフトもグラフィック系ソフトも、基本的には「ツール」であって、何かを創造するのは常に人です。
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強引ですが、社会人として仕事をしている時にも、それと同じようなことを考えることがあるのです。
ちゃんとした服装と名刺、言葉遣い、時間に送れない、後追いの為のメールや電話。
これらは、人と仕事をする上で大切なことに間違いありません。
しかし、当然ですがこれらは仕事をする上でのツールでしかないと思うのです。
大切なのは仕事の中身、もっといえばその仕事を提案している人間そのもの、です。
上記ソフトと同じように、仕事においてもツールが不要だとは思いません。
しかし、最も重要なことではないことも事実です。
例えば、時間に送れて相手に迷惑をかけることはよくありません。
しかし、遅刻したことを真摯に詫びる、という次に繋がる誠意を見せられるのは、やはり人そのものです。
遅刻しなくてもイマイチな仕事、たとえ遅刻しても、「最終的には」良い仕事、というものもあります。
ツールはやはり枠組み、最重要は人と仕事内容ですよね。
ツール(枠)はマニュアル化しやすいし、箇条書きにしやすい。
こういう仕事は、将来コンピュータに奪われるかもしれませんね、、、