今日はマニュピレーターという仕事に携わっています。
これは、ライブ時に裏でコンピュータを操作してオケをならしたり、クリック(メトロノーム)をならしたりする作業です。
表に出てくることはないので、あまり知られていませんが、ホール級のステージではほぼ確実にマニュピレーターがステージ袖にいますね。
ライブは何があるかわからないものです。普段から想像もつかないようなミスをやらかしたりすることがあるわけです。
だから、マニュピレーターは本番当日もさることながら、本番までの「仕込み」がとても重要です。
使用するソフト、そのファイル管理も大切ですが、ライブ当日のトラブルをいくつ想像できるか、というのも大切ですね。
座りやすい椅子、慣れたキーボード、、、あと手元が意外と暗いので照明類も準備しますね。
マニュピレーターの仕事、大変な要素の一つは、仕事の成果が減点方式だということです。
なにもミスなく終わるのが当たり前。本当はミスなく終わるために様々な苦難を乗り越えているのですが、それが理解されることってあまりありません。
対して、ミスをした時の被害は甚大です。
もちろん演者、他のスタッフ全て含めて、ミスが許されるというポジションはないでしょう。
しかし、マニュピレーターのミスは、まさに「それどころではない」といったものです。
オケやクリックは曲の軸になっているので、例えばコンピュータのトラブルでオケが止まったとなったら、演奏も含めて曲がストップする可能性もあります。最悪の場合は、オーディエンスからのクレームに繋がることも。
ミスを絶対してはいけないのに、ミスなく終わっても賞賛されることも認知されることもあまりない、それがマニュピレーターです。つらいですね。
しかし、絶対ミスをしてはいけないというのは、それが業務としていかに重要かという裏返しなので、もちろんやりがいはあります。たとえ人に賞賛されなくても、終わった後の充実感、達成感は他では味わえないものです。
大きなコンサートに行って、バンド演奏者が演奏している以外の音が聞こえてきたら、それはマニュピレーターが出している音です。
そこにも、緊張と戦いながら、すこしでも良いコンサートを作り上げようとしている人間がいることを思い出してくれたら幸いです。
今日は、、、、ミスなく終わりました!
お疲れ様でした!!