ググレカス、という言葉があるように、現代においては、知識の殆どはネットで調べられます。 調べてもわからないことや、ネット上の情報が不確かな場合、直接詳しい人に聞く、という順番なはずです。
これは、今は手元にスマホがあるのでネットという知識の泉を利用していますが、以前から同じです。 新聞、書籍、テレビ、ラジオ、週刊誌。 情報はあらゆるところから得ることができます。
しかし、どうやって得た知識であっても、それをアウトプットするときには、その知識の確認が必要になります。 アウトプットする際の責任は、すべてアウトプットする本人にあるわけです。
◆
先日、依頼していたある曲のデータを提出してきた若者がいました。 聞いたところ、曲の最後の方の音量に少し違和感があります。 詳細は省きますが、曲をシーケンサー上で作る上で、パラメータを時間的に変化させる、オートメーションという機能の使い方に原因があるようです。
で、詳しく聞いてみると、オートメーションの書き方がかなり特殊でした。 なぜそんな方法なのかを尋ねると、専門学校で習ったから、と言います。
私は、専門学校で教えていることが嘘ばっかり、と言いたいわけではありません。 ただ、教えてもらったことをちゃんと理解して使えるかどうかは、自分がアウトプットするとき、つまり今回のようのなタイミングで浮き彫りになります。
最終的に提出された曲を聞いて違和感を感じないならまだしも、感じているのに修正しない。 なぜなら、そう習ったから間違いないはずだ、という思考停止が起きているからです。
音楽に限らないと思いますが、プロとして仕事をするうえでまず大切なのは、間違えない、ということです。 楽曲制作に関してだったら、事故が起きていない、ということです。 事故予防のためには、普段から事故が起きないような環境づくりが必要です。 ファイルやフォルダの整理、ファイル名、フォルダ名の名前の付け方、確実なバックアップなどはもちろんですが、シーケンス内においてもそれは同様です。 これらは、きれい好きな自己満足を満たすためだけでなく、事故のリスクを限りなくゼロに近づけるために必要なことなのです。
とにかく、なにかから得た情報や教えは、吸収して一度自分で試してみないと、身にしみて理解していることにはなりません。 それは責任ある仕事とは言えないのです。
わからないことがあったら、調べて、自分で確認しましょう。