日本では、アルバイトはほとんど時給制だ。
(海外の事情はよくしらない)
この時給制、正直精度として破綻していると思う。
まず、給料をもらうということがどういうことなのかを考えてみたい。
給料は、労働力を与えて、その対価としてもらうものだ。
しかし、少し先がある。労働力を与えて、それがお金になった時に、その一部を給料という形態でもらうのだ。
だとすれば、労働力をあたえても、それがお金にならなかったら給料は与えられない、というのは、今の労働法に照らし合わせればダメなのかもしれないが、筋は通っている。
時給制はその逆だ。一番良い例は飲食店。
時給制で働いているアルバイトにとって、飲食店の混み具合はどう感じるか。
すごく忙しくて、一息つく間もないくらい忙しい日と、あまり客が来なかった日、どちらが良いかといえば、当然あまり客がこなかった日の方が楽なので、こちらが良い(あくまで一般論、人は楽したいもの)。
ところが、忙しい日と暇な日、売上は当然忙しい日のほうが良い。
つまり、アルバイトは「売上が少ない日の方を望む」ということになってしまう。
ここで、経営者との歪みが生まれる。
若いころ、たくさんのアルバイトをしたが、経営者や責任者は決まって「売上が上がるよう頑張れ」的なことを言う。しかし、アルバイトにとって店の売上はあまり関心がない。なぜなら、売上が上がっても下がっても時給は同じだからだ。
もしアルバイトのモチベーションを上げたいのなら、売上が上がった分、アルバイトにも還元されるようにするべきだろう。もちろん、売上が下がったらそのしわ寄せも来ることを言うまでもない。
ここでチップ制だ。
チップ制の印象は、日本ではあまりよくない。理由は、いくら払えばよいかわからない、とか、値段が高くなる、など。
しかし、これらは全て客側の意見。労働する側に立って考えたら、違って見える。
チップは、客から、店を通さずにダイレクトに労働者に渡る金だ。たくさんの客をさばいた人間がたくさんもらえる。忙しい日のほうがチップも勿論多い。つまり、たくさん働いて売上が上がった分に、ほぼ比例した給料をもらえるのだ。
労働者は公平であるべきだ(平等ではない)。
アルバイトに限らず、どこの会社組織にも、大して働かずに、働いている人の数倍の給料をもらっている給料泥棒がいるもので、これはちっとも公平ではない。
公平にするためには、まず給料のあり方を変えるべきだ。つまり、売上に貢献した人間がより多くの給料をもらえる、というシンプルさを求めるべきだと思う。
今の日本で、時給を完全撤廃するのは不可能に近いので、チップ制を導入するのはどうだろうか。時給制をチップ制は当然並行運営可能だ。
※労働は現場だけではないので、もちろんこれがあてはまらない方もたくさんいる。