私は普段フリーランスとして働いています。
フリーランスの場合、仕事をもらうこともあれば、振る(与える)こともあります。
仕事をどうやったらもらえるか、ということを考えるときは、逆のことを想像する、つまり自分がどんな人に仕事を振りたいか、ということを考えることがリアルにできるわけです。
もちろん、これは個人的なものなので、一般論にはなり得ませんが、1つの例にはなります。
私が仕事を振る相手に見るのは、2つの要素です。
それは、能力と誠意です。
能力の方はわかりやすいですね。音楽ならば演奏技術が水準に達しているとか要望に柔軟に対応できるとか、です。
しかし、仕事を誰に振るかということを考えた時に選択肢としてあがる人は、最低水準は常に超えています。その水準以上の中で、どのくらい能力が高いか、というのは大切ではありますが、ここでもう1つの要素が出てくるのです。
それが誠意です。
仕事をちゃんと前向きに捉えて、しっかりしようという態度や振る舞いですね。これは努力や根性のことを指しているのではありません。楽しんでやってくれても全然構わないし、むしろその方が嬉しいですが、それと誠意はまた別です。
そもそも、能力というのはそんなに短期間には変わりません。仕事を依頼してから能力が上がることなんて多分ないと思います。
しかし、誠意は違います。その時の心がけ1つで、ちょっとした言動や振る舞いが変わるし、それは意外に人に大きな印象を与えます。
例えば、打ち合わせの時にあくびをしながら話を聞いている人がいたとします。
これは、マナー違反なんですが、私はどちらかというとマナー違反ということよりも、この仕事に対する誠意が感じられないな、という思いのほうが強いのです。
能力と誠意の和で仕事を誰に振るかを決めます。和というのがポイントで、誠意なんてほとんどなくても、ずば抜けた能力の持ち主ならば仕事には困らないでしょう。
一方、能力は標準的でもとにかく誠意に溢れている、という人も、これはこれで仕事には困らないのだと思います。
で、能力を誠意も高い方が良いに決まってますが、明日から高められるのは誠意です。そして、高めようと思わなかったらいつまでたっても高くならないのも誠意です。
能力はそういう意味ではわかりやすいし気付きやすいので、ある程度みんな高めようとしますね。
ある程度の能力がある、と自覚しているのにイマイチ仕事がもらえない人は、もしかしたら能力値ばかりに目がいっているのかもしれません。
誠意は人の心をつかみますよ。