日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

音楽を志す人は、自分のアタマでよく考えて!

私は商業の方の音楽業界にいます。 諸事情で身元を明かすことはできませんが、これを読んでいる人のなかでメジャーデビューを目指しているひとはどうか読み進めてもらいたい内容です。

音楽でメジャーデビュー、知名度があがり音源が売れ、テレビやラジオ出演、ホール級のコンサートを行う。 こういう大きな夢を持つことは素晴らしいことだと思います。 しかし、その素晴らしさの分だけ難しいことも事実です。頑張ればいつか夢は叶う、と言いたいのは山々ですが、現実問題としてそうもいきません。 先天的なスキル、運、環境など様々な要素がうまく噛み合わないと大きな夢は叶いません。だから大きな夢なんです。

夢を諦めろ、と言いたいのではありません。 大きな夢は簡単には叶わない、ということをしっかりと認識してほしい、ということを言いたいのです。

なぜ突然こんなことを書くのかというと、残念ながら音楽業界には知ったようで知らない「知ったかぶり業界人」がたくさんいて、先日もそういった事例を目にしたからです。

音楽の大きな夢を持ったある若者に会いました。 その子は、約1年前に出会ったあるミュージシャンにこう言われたそうです。

2000万円用意してレコード会社にいけば、メジャーデビューさせてくれるよ

これだけ聞いたら、胡散臭さ満載です。 しかし詐欺事件を後から聞いたとき、なんでそんな胡散臭い話に騙されたのか、という疑問を抱くのとおなじで、渦中にいる人は、その胡散臭さに気づきにくい。その若者も同じで、全く疑っていませんでした。

特に音楽業界の場合はややこしいのです。 なぜなら、音楽自体はかなり大衆的な文化な割に、デビューまでの道のりは意外に知られていないからです。 考えてみれば、音楽に限らず、多くの詐欺事件で被害にあう要因(原因ではありません)を探ると、無知にたどり着きます。 資産運用云々で難しい専門用語がたくさん並べられて、しかもそれを言っている人の服装がちゃんとしており、言葉遣いも丁寧ならば、騙されてしまう要因になってしまいます。情報に疎くなりがちな高齢者が狙われやすいのは、そういった理由があります。

音楽業界も同じです。デビューの方法は一つではありませんが、例えば王道だったらどんな方法があるのか、お金はどれほど準備するべきなのか、ということも全くわからないと思います。 そうすると、2000万円という準備金も、そんなものなのかなぁ、となります。

ではどうすれば良いか。100%確実な方法はありません。だからできるだけ100%に近づける努力を惜しまないことです。 メジャーデビューを目指している人ならば、メジャーデビュー経験者やそれに直接(間接はだめですよ)関わった人に話を聞く。しかもできるだけ多くの人に聞くことです。そこにはある程度の時間やお金をかけても良いくらいの価値があります。

雑誌やインターネットの情報には気をつけてください。全部嘘とは言いませんが、かなりの嘘があるのも事実です。 音楽業界の実績がある人、というのも実は漠然としています。音楽歴何十年、数々のアーティストを世に輩出した、というプロフィールもよく見かけますが、その具体的なアーティスト名が無いことや、あってもその人の音源クレジットにその人の名前がないことなんてよくあります。ちょっとした知り合いなだけなのに、プロフィールに「制作に関わった」なんて書いてあることは多々あります。これは普及している全国誌レベルでも起こることなんです。

最後に。 冒頭にも書いたとおり、私は素性を明かしていません。だから上に書いたことはブーメランで私のところに返ってきます。知ったかぶり業界人の可能性が残るわけです。

「実績も何も分からないあんたが言うことを信用してよいのか?」

その通りです。 だから、自分でちゃんと調べて、考えてほしいのです。 今夢を追いかけている人の中で、ある人を師匠と仰ぎ盲信している人は、本当にその人の言うことを信用して大丈夫か、ということを立ち止まって考えてほしいと思います。

素性を明かさなくても良いのならば、分かる範囲で質問には答えます。分からなかったら分からないと答えます。 コメント欄でご質問ください。