いじられキャラの人は結構いる。
自分自身も、状況によってはそうなることもある。
読者の周りにも少なからずいるはずだし、自身がそうだという人もいるだろう。
いじられキャラは、単なるキャラなので、いじめを受けているのとは違う。
いじめを受けて嬉しいと思う人はいないと思うが、いじられキャラである自分が嫌いでない人はいるだろう。
むしろ「オイシイ」と思っている人もいるはずだ。
芸人さんなんかには、そういった人も多いように思う。
いじられキャラの作られ方
しかし、このいじられキャラというのは、どうやって作られていくのだろうか。
考えてみると、いじめの対象になってしまう人が、いじめられるきっかけになることがほんの些細なことであることが多いように、いじられキャラもちょっとしたことで出来上がる。
ちょっとしたこととは、「リアクション」だ。
あることチョッカイを出した時に、良いリアクションが返ってくると、その場が盛り上がる。
すると、どんどんチョッカイを出す。
その回数が増えれば増えるほど、良いリアクションが返って来て、さらに場が盛り上がるからだ。
リアクションの捉え方
しかし、よく考えてみたい。
良いリアクションには、2通りの見方がある。
まず、本当にその場の面白さを考えて、良いリアクションをしている人。
お笑いで言うツッコミだ。
もう一つは、その場の空気を読んで、それなりに良いリアクションをしなければいけない、と思っている場合だ。
前者には問題ないが、後者には問題がある。
なぜなら、後者の場合、そのキャラを決めているのは集団心理だからだ。
多数決と言っても良い。
つまり、ここに10人いて1人がいじられキャラだとしたら、その人をいじることによって、少なくとも9人は楽しい。
ここが重要なのだが、ここでたった一人のいじられキャラである本人の気持ちが、とても不快なものだったとしても、気付かれないし、無視されるのだ。
いじる側の人たちへ
上記のうち、自分自身が多数の方(上の例で言えば9人の方)に入っている人は、よく考えてほしい。
いじられている人は、ちっとも楽しくないのではないか、ということを疑ってほしい。
経験論で申し訳ないが、自分がいじられるような状況になったときに、その場が盛り上がって良かったと思うこともあるが、それよりも不快になった回数のほうが多い。
そして、不快であったときにそれに気付いた人間は、ほとんどいなかった。
自分自身をチェックすること
自分自身がいじる方になっていて、相手に不快な思いをさせていないかどうかを改めて考えてみるときに、思い返して欲しいのが、その人に対する態度が、集団でいる時とマンツーマンでいる時で変わっているかどうかだ。
集団になると、えらくテンションがあがるタイプ。
おおざっぱな意見だが、こういうタイプの人は、人が増えれば増えるほど、盛り上がりたい欲求があり、時にそれが何よりも最優先されてしまうこともある。
こういう人は、いじられている人の気持を考える余裕なんて少しもない。
1人の不快感よりも、9人の笑いを選択する(してしまう)。
いじられている人は、もりあがっている空気に比例して楽しいわけではないことが多々あることを気に留めていただきたい。