音楽の良さって、本当に複雑で多用です。 芸術分野だけあって、物差しもひとそれぞれだし、むしろ人それぞれの物差しをもっているから多様性があって面白い、とも言えます。
しかし、音楽における芸術性は、曲や編曲を指しますよね。レコーディング技術やミックスダウン、マスタリングの技術も、ある意味芸術といえるかもしれませんが、音楽的芸術とはちょっと色合いが違います。制作物的な芸術、といったところですかね。
音楽の芸術的なクオリティー判断において(堅いな・・)、「音楽通」と言われる人が判断したものがクオリティーが高い、という概念、ありますよね。 音楽通の人に「この曲って良いんですか?」と質問する人がいますが、その類の質問は上記概念を表していると言えます。 音楽通の人の意見を聞いてみたい、というのはわかりますが、その意見が普遍的に正しい、なんてことは絶対にありません。音楽通がめちゃめちゃに非難した曲が大好き、と言う人がいても全く問題ないわけですし、自分の価値判断に自信をもってよいのです。 もちろん、その基準を他人にも強要したらだめですが、、、
一方、上の言い方を使えば、制作物的なクオリティー、というものもあります。こちらは音楽的な芸術とは違うので、玄人判断を重視したほうが良いでしょう。具体的に言えば、「音の良さ」みたいなところですね。 音が良いかどうかは、ある程度数値化できます。難しいのは、全てではなくてある程度、というところです。 例えば、音を作っていく過程の一つに、各音源の音量調整があります。ボーカルとかギターの各音量を決めるわけですね。一般的には、ボーカルが入っている場合はそこがメインなので、ボーカルを前に出して、それ以外のオケがボーカルを邪魔しないように、でもちゃんと存在感があるように、といった調整をしていくわけです。 しかし、その音源制作責任者が「あえてボーカルがちょっと埋もれている感じにしよう」ということもあり得るわけです。これは、音作りの過程にも関わらず芸術的な作業をしていることになります。
とはいえ、やはり音作り段階ではそのほとんどが音楽的芸術ではない作業です。これはやはり玄人の方が場数を踏んでいるのでうまくいくことが多い。
これから音楽の世界に入って行こうと思う人は、いろんなひとからアドバイスを受けると思います。 そんな時、その意見を自分の考えよりも重視して取り入れるべきか、自分の考えを貫くべきか、というところは重要です。先輩の言うことをなんでも聞いていれば良くなるのならば、そんなに簡単な芸術はありません。しかし、分野によっては耳を傾けるべきところもある、ということですね。