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技術革新という意味では、音質はどこまでも良くなっていくでしょうね。
しかし、技術革新と音楽というものを考えていくときに、その方向性は2系統あります。 一つが上に書いた音質。 もう一つは、利便性、つまりいつでもどこでもなんでも聞ける、ということです。
後者の方は、ここ10年で目覚ましい進化を遂げたのは言うまでもありません。 コンピュータが普及し、iPodがヒットすると、CDを聞くという形態はどんどん減っていきました。 今はさらにストリーミングによる聴き放題です。 まさに、いつでもどこでもなんでも聞けます。
しかし、前者である音質は、後者ほどの進化は遂げていない印象です。 私の幼少期はカセットテープ全盛だったので、その頃に比べたら格段に音は良くなりました。
しかし、10年前と比べるとファイルベースで考えても、言うほど良くなっていません。 随分まえからmp3というフォーマットは消える消える、と言われていますが、いまだに根強く残っています。
これをどう捉えるかです。 実は音質というものに関して、大衆はそこまで良いものを求めていない、つまりmp3で十分だ、と思っている、と捉えることもできます。
mp3と同じくらいの圧縮率だけど、理論上mp3よりもずっと音が良いフォーマットもすでにあるのですが、いまいち普及しません。 「より音が良いらしいけど、今までので十分なので、逆に変えるのが面倒」という声が聞こえてきそうです。
音質に関してはファイルベースだけではなく、スピーカーやアンプ、ケーブルも関係してきます。 この辺はもちろん以前より良くなってはいますが、ファイルベースの進化に比べてお金がかかります。 その分普及も遅い。
ハイレゾが表れて結構経つのにいまだ認知度が低いのは、正直今の音質でも十分、と思っている人が多いからなのかもしれません。
ちなみに、同じAVでも映像の方は、音楽よりも目で見る分、より違いがわかりやすい。 だから、多少お金がかかっても良い映像の方が、と思う人は、少なくとも音楽よりは多そうです。
ハイレゾの今後はどうなんでしょうかね。
ちなみに、多くの音楽制作関係者がつかっているDAWというソフト上では、結構前からハイレゾです。 CDという媒体にする場合に、物理的限界があるので、結局そこまで音質を落とさなくてはいけないのですが、制作関係者はハイレゾの音も日常的に耳にしています。