無料(タダ)ほど高いものはない、という言葉と同じことを、この男性は思ったのでしょうか。
ネット上ではこれに対して様々な意見が出ていますが、私は、たしかに無料でも数時間並ぶのはいかがなものか、と思います。
時は金なり、と私は思っています。
日本の最低賃金は時給で700円を超えます。2時間並ぶだけならば、その時間で1400円を稼ぐ時間を消費したことになります。
しかし、手に入るのはドーナツ2個。割に合いません。
例えばこれが、その日にしか手に入らない希少なモノだとすれば、その価値が変動するので一概に決めつけられません。
また、並んでいる時間もスマホ片手に何かしら生産的なことをしているという強者ならば文句は言えません。
まあ、なんでもかんでもお金で換算するのはよくないとは思います。友達と2人で並び、2時間たっぷりと話す、なんていうのはお金にならなくても、それなりに価値がありそうです。
SNS全盛のこの時代に、わざわざ直接会って何時間も話す機会というのも少ないのかもしれませんし。
ただ、表面的な部分、つまり数時間並んでドーナツ2個というところだけ見ると、なんて生産性のない行動だ、と嘆く気持ちに賛同しますね。
今の若者は、時代のせいもあって本当にお金がありません。統計をみても、実際に会う若者をみても本当にそう思います。
なぜそんなにお金がないか、その原因は決して若者にあるわけではなく、そんな時代にしてしまった上の世代にあると言えます。
よく言われるゆとり世代批判なんて顕著ですが、その世代を作り出したのが誰なのかをよく考えて、批判するよりも責任をとるべきです。
しかし、若者がそれを上の世代の責任だ、と言い続けても問題解決には至りません。
与えられた時代環境の中で、どうふるまうかというのは、今でなくてもみんなやってきたことです。
まずは選挙に行くこと。これは無料でできる大きな一歩です。
日本ほどの経済規模を誇る国では、お金がある、ないを個人がコントロールすることは到底不可能です。政治家に任せるしかありません。政治家になるつもりがないのならば、せめて唯一の政治参加手段である選挙を利用すること。
それから、時間を大切にすることです。
上に書いたように、お金のことを考えたら、ドーナツ2個もらうのに何時間も並ぶのは、自ら時給を下げに行っているようなものだ、と気付くことです。
難しい数学知識なんてまったくなくてもわかります。
時間もお金も、「消費」なのか「投資」なのかをよく考えて生活することは大切ですね。