商業音楽では、オリコンチャートがその曲の大きな指標です。
お金のために音楽をやっている、と言ってしまえばなにか悲しいものがありますが、自分の作った曲がたくさんをお金を生んだ、ということは当たり前ですが嬉しい。
自分の曲が世間に受け入れられた証拠ですからね。
そんな曲を作る作曲家を目指す人も多くいると思います。
曲というのはメロディーとコード、リズムから成り立ちます。
楽曲の構成や、どんな楽器を使うかといった要素は全てアレンジ領域で、作曲とは別と捉えたほうが良いでしょう。
もっとも、最近はDTM/DAWソフトの普及と高機能化でその垣根がなくなりつつあるのも事実ですが、、、
上記3要素のうち、音程を司るのはメロディーとコードなので、このどちらかを起点に曲を作り始める人が多いと思います。
ちなみにプロの作曲家は、曲の作り方にもバリエーションを持っています。
メロディーからのみ、コードからのみという作曲方法では、ネタが尽きてきますから。
メロディーというのは一番覚えやすいパートで、プロ・アマ問わず最も集中して聞かれているパートなので、想像し易い。
それはつまり、音楽理論なんて知らなくても感性でできちゃいます、という人がたくさんいる、ということです。
そういう人は鼻歌で作ったりりますね。それで問題ありません。
むしろ、音楽理論なんて使わずに作った曲のほうが良いことも結構あります。
一方コードはどうでしょうか。
コードはメロディーに比べると、やはり玄人よりな知識です。
その為か、教則本でメロディーを説明しているものよりも、コードの解析、説明をしているもののほうが多いようです。
確かに、コードは知識ゼロだと作れません。メロディーのように感性だけで、というわけにはいかないわけです。
ところで、コード進行にも「正しい・正しくない」という基準と「良い・悪い」という基準があります。
前者は音楽理論に照らし合わせて決まります。
ダイアトニックコードやセカンダリードミナント、モーダルインターチェンジなど。これらには正解、不正解があります。
もちろん、ゼッタイダメというわけではありませんが、かなりの違和感は間違っているとみなされるのが音楽です
。
後者はどうでしょうか。これにはまったく法則がありません。
若い作曲家志望の子から、良いコード進行のパターンやテンプレートはないんですか、という質問を受けることがあります。
ありません。
そんなものがあったら、みんなそれを使えば良いだけです。
だとすればえらく簡単な世界です。
真っ先に私がやってがっぽり儲けたいものです。
もちろん、定番のコード進行というのはあります。クリシェやカノンコード、1625などですね。
しかし、これらを使って売れない曲もあるし、これらと全く違っても売れる曲はやまほどあります。
つまり、定番のコード進行を使ったところで、それだけでは質の高い楽曲はできないのです。一要素ではありますが、一要素でしかないし、その一要素も例外がたっぷりとあるということです。
だからこそ、プロの作曲家はずっと生みの苦しみを味わうわけです。もちろんそれは前向きの苦しみですが、少なくともあるパターンやテンプレートをつかってササッと作っている作曲家なんていません。
事務処理を効率化するためのテンプレートはあっても、作曲を効率化することはできないわけです。
クリエイティブな作業なので、根本作業の効率化ということ自体が土台無理です。
売れるコード進行、といった類の本はダメだ、という意味ではありません。
そういう本ですら、参考にしかならないので、そう思って読みましょう、ということです。
理論的正解は書いてあっても、売れるための正解はありません。