いくら規則でも、それがあまりにも非現実的だと、結局守られません。
そうなると、規則の意味がなくなります。
しかし一方、こんな考え方もあります。
規則は破られるのが当たり前なので、それを想定して、少し厳し目に設定しておく。
例えば信号。信号は赤、青、黄色ですね。この黄色がポイントです。
黄色の本来の意味は、止まれ、やむを得ない状況に限ってすすんで良し、です。
しかし、現実ではどうでしょうか。おそらく「注意して進め」と捉えられていることの方が多い。
規則は破られる、つまり黄色の意味が現実的に間違って捉えられているのですが、だからこそ赤「止まれ」の意味が強くなります。
これがもし青と赤だけなら、赤でも「えいっ」と進んじゃう人が増える可能性が大きい。そうなるところを、黄色を挟むことで防いでいるわけですね。
つまり、規則は
・現実的に守られるよう設定する
・破られることを想定して、あえて厳し目に設定する
のどちらにするかを考えなければいけません。
これは設定する規則によって変わってきますが、正直日本の道路交通法は後者が多い、つまり厳しすぎて現実離れしている、と感じます。
例えば原付、法定速度は30km/hです。車の運転をしている人ならわかると思いますが、そんな速度で走られたら邪魔で仕方ありません。
あと、2段階右折。免許を持っている人ですら覚えていないレベルです。クイズですね。
結局これらの規則はまったくもって現実的ではないので、警察に見つからない限りほとんど守られていないのが現状でしょう。
これは、上記2つの規則設定基準の後者を目論んでいるとしたら、機能していないと言えます。
冒頭リンクの記事は、現実的な規則にして、そのかわりちゃんと規則を守ってね、という方向に変えたと私は見ています。
記事によると、結果的には規則変更前と後で違反や事故は増えていないとのこと。
車の性能としては、110km/hくらい出せる車はたくさんあるので、運転手にとっては嬉しいと思います。
ちなみに、海外に住んでいた頃驚いたことの一つが法定速度で、結構な路地でも40km/hでしたし、郊外にいけば高速でないのに110km/hでした。
そのかわり、ちょっと超えただけでも捕まります。私も捕まりました(泣)。
そのルールが現実的であれば、上記例で言えば40km/h(110km/h)までは出して問題ない、という思考になるわけです。
その方が、規則を守る方にとっても楽だと感じますね。