数日前にこんなブログを書きました。
会社組織は、ある程度価値観をそろえないと、組織としての意味がなくなってしまいます。
反面、全員の価値観をあまりにもそろえようとすると、社会全体の価値観が多様化しているこの時代ではひずみがあり、多くの社員が、やめる以外に解決策のない問題に向き合い続けなければいけません。
ほとんどの組織は、それをどの程度のバランスにするか、の調整をしているわけです。
つまり、どこまで社員の自由に任せるか、どこまで会社の思想に従わせるか。
しかし、そんな時代にあっても、この競争意識の有無は議論にならないことが多々あるように見えます。
極端に言えば、競争意識があるのが当たり前だろう、という方向になっちゃうということですね。バランスを取る間でもない、と。
会社が営利組織である以上、競争は必須、、、ですか?
私はそうは思いません。
多分必須なのは、競争意識ではなく向上心です。
そして、向上心には競争意識が不可欠だ、と思っている人がとても多いと感じるのです。
断っておきますが、向上心と競争意識がセットになっている人も多くいて、それも全然悪くありません。
ただ、向上心だけはあって、競争意識があまりない、という人も結構いると思います。
かくいう私がそうです。
スポーツで言えば、マラソンに近いと思います。
マラソンが好きな人って、他人とではなく自分と戦っています。
マラソン好きが周りにいたらぜひ質問してほしいんですが、どちらかと言えば順位よりもタイムを気にする人が多いのではないでしょうか。
あと、芸術で言えば画家なんかもそうかもしれませんね。
画家の知り合いはいないので予想に過ぎませんが、画家は誰かと競っているわけではなく、自分の絵をただただよくしたい、と考えているイメージがあります。
好きな作家の村上春樹さんも、毎回ノーベル文学賞候補にノミネートされることをうんざりしているようで、本人の競争意識がそれほど高いわけではない、というのもその理由の一つにあると思います。
ちなみに村上さんのマラソン好きは有名ですね。
数値化しにくい向上心や競争意識ですが、全体の傾向としては競争意識が高い人のほうが、向上心も高いという気がします。
しかし、完全に比例するものでもありませんし、状況にも左右されます。場合によっては競争意識がかなり希薄でも、ものすごいストイックさを維持できているひともいます。
上記した村上春樹さんはまさしくそのタイプで、この本を読めばそのあたりを強く感じます。
私は若い頃、競争意識を持て、と目上の人に言われて思い悩んだ時期があります。
競争意識が希薄なのは、働く人間として重大な欠陥がある、と自分を責めたときもありました。
しかし、そんなものを持てと言われて、はいわかりました、と言って芽生えるものではありません。
そして、私は今そんなに人に迷惑をかけずに働けています。
働くことに誇りも持っているし、好きです。
同じようなことで悩んでいる人に、少しでも安心してもらえますように。