先日NHKスペシャルで、下記番組をみた。
少子化は確かに問題であり、しかも対策を講じて効果が現れるまでに時間が相当かかるので、国にはいち早く対策を実施していただきたい。
番組の中で、日本のある村が出生率UPに成功した例、フランスが過去に出生率UPに成功した例などを紹介していた。
情報はものすごい勢いで行き来可能な時代なので、専門家を呼び、データを分析し、傾向と対策を立てるという、ある意味正攻法が実は一番うまくいくだろう。
しかし、これには世論の同意(コンセンサス)が不可欠と、番組中も何度も訴えていた。
そこをもう少し深く考えてみる。
少子化という現象が起きた理由は多岐にわたり、その現象の理由や責任を追求するのはもう少し後でも(少子化問題に対する解決の糸口が見え始めた頃)良いだろう。
優先的にやらなくてはいけないのは、とにかく対策と、同意だ。
対策は国全体で考えていくとして、同意というところ。
無責任な世代(全員ではない)の意見が、対策を遅れさせている
そもそも、少子化対策には、コストがとにかくたくさんかかる。
その財源はもちろん税金だ。
使える税金は税収によって決まるので、少子化対策にどれだけの税金を国民が払おうと言う意志(同意)を持てるかが肝だ。
ここで問題になってくるのが、団塊の世代あたりの一部の考え方だ。
少子化の理由を
「現在の男が男らしくなくなったから」
という意見が出ていた。
冗談も休み休み言ってほしい。
まず、男らしくなくなったらなぜ少子化するのかという論理的な根拠をしめすべきだ。
それから、男らしくなくなったその世代を教育したのは(つまりそういう世の中にしていったのは)どの世代なのか。
そもそも、男らしくない(男らしい)というのは、どういう部分を指して言っているのか。
随分前から少子化問題はあるのに、そこに注目して政治を監視し、選挙に行くという行動をどのくらいの人がとっていたのか。
番組中、社会学者が元大蔵官僚に対して「あなたたちのせいですよね!」と厳しく迫った場面があった。
かなり厳しい言い方だったが、的は得ていると思う。
あなたたち「だけ」のせいではないが、多くの責任がその世代の教育や政治にあったのは紛れもない事実だろう。
(あくまで個人ではない)
その責任を感じたら、少子化の理由が男性の草食化などというくだらない意見は言えなくなるはずだ。
その責任をしっかりと感じてもらい、ぜひ負担増を受け入れていただきたい。
選挙に行き、団塊の世代やそれより上の世代に対する優遇をマニュフェストに掲げ票集めをする候補者に厳しい目をむけていただきたい。
納税に対する意識改革を
少子化にコストをかけること(つまり教育にお金をかけること)は、将来的にその世代が働く世代になった時に、納税という形で戻ってくるという、最高の「投資」だ。
一致団結といった類の言葉が好きな日本人は、こういうところにこそ発揮していただきたい。
もちろん、自分も含めて。