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今日はこれについて。
この校長にほぼ同意
先に自分の意見を述べる。
この校長の発言は、若干言い過ぎ感も否めないが、概ね間違っていないと思う。
少子高齢化は、もはや誰もが知っている、しかも日本にとっても非常に大きな問題だ。
少子高齢化がなぜ問題なのかというと、労働生産力が低下して、税収も落ち込み、経済も冷え込むと、国家としての機能が立ちゆかなくなるからだ。
老いによって働けなくなった人たちを支える若い世代よりも、老いている人のほうが圧倒的に多くなる、と単純に考えれば、問題でないわけがない。
従って、それを解決するためには、女性に子供を産んでもらうしかない。
さて、冒頭に書いた、この校長の若干言い過ぎなところは、「女性にとって最も大切なこと」と言い切ってしまったことだ。
最も大切なことは、あくまで個人で決められるものだ。校長がきめることではない。
とはいえ、子供を2人以上産むことと、キャリアを積むことを比較して、「一般論として」子供を2人以上産むことの方が大切、という比較は、概ね正しいだろう。
なぜなら、キャリアをいくら積んでも、国として成り立っていかなければ、そのキャリアさえ意味がなくなってしまうからだ。
批判すべきは、教授の主張
この記事で、非常に腹立たしいのは、記事の後半に出てくる大学教授の主張。
人生をどう生きるかは個人個人で考えることで、他人が指図するべきことではない
とこの教授は主張している。
それは確かにそうなのかもしれないが、学校の先生、特に中学生といういまから人生を考えていく子たちに、ある程度の指針を見せるのは、先生としての大切な仕事だ。
中学生に、未来は全部自分で考えなさい、というのは放任の行き過ぎだろう。
もし、生き方を指図することがだめなことであれば、しっかり働いてください、という言葉も言えない。
この教授の言葉を借りれば、先天的な病気や身体の障がいで働けない人もいる。
言い出したらキリがない。
社会には結婚をしたくてもできない人もいるし、夫婦になっても子どもを産まないという選択肢もある。
また、マイノリティー憑依だ。自分自身が当事者ではないのに、そういった人たちの気持ちを代弁できていると勘違いしている。
※念のため、マイノリティーは無視して良い、という意味では決して無い
この教授は、おそらく中学生を子供あつかいしすぎているのではないだろうか。
中学の校長が「子供を2人以上産むことのほうが、キャリアを積むよりも大切」といっていたから、それが正しいのだろう、と単純に受け取るほど、中学生は馬鹿ではない。
ちゃんと「そういう考え方もあるな」と受け取れるし、それに疑問・反発を持ったら、自分でその発言の意味や反論も考えるだろう。
その行為が、実は最も大切だ。
先生は正しいことを言う職業ではない。
正しいことはなにかを考えさせるきっかけを与える職業だ。