フリーアナウンサーの長谷川豊氏による過激なブログ投稿で、全ての番組を降板になったことが話題になった。
長谷川氏がこのブログで訴えたのは、医療費の高騰にどう向き合っていくか、ということで、それ自体は問題であることに違いはない。
こういうことを書くと長谷川氏を擁護していると勘違いされそうだが、そうではなく、そもそも長谷川氏が訴える前からこの問題は問題であったのだ。
炎上マーケティング
冒頭リンクの中にあるように、たしかにネットではきつい言葉や非常にショッキングなワードが振り向かれやすいという性質はあるだろう。
しかし、いわゆる「炎上マーケティング」は、それが功を奏する条件がいくつかあるようで、その一つに、発信者が著名人でない、ということがあげられるのではないだろうか。
今回の問題と対照的だと感じたのが、待機児童問題を再考するきっかけとなった「日本死ね」ブログ。
国会でもとりあげられるほど有名になったが、投稿者は著名人ではないというのがポイント。
つまり、「死ね」というきつい言葉を用いていたとしても、その批判対象「者」が不明なので、自ずとコンテンツだけが浮き彫りになる。
仮定の話にはなってしまうが、日本死ねブログを、著名人が書いていたり、あるいはきつい言葉を用いなかったりしていたら、投稿者に批判が集まったり、または全く話題にならなかったりしたのではないだろうか。
(実際に待機児童問題をとりあえげている、著名人でない人によるブログはいくらでもあるが、日本死ねブログほど話題にはならなかった)
待機児童問題が大きな問題なことには変わりないのに、だ。
今回は残念ながら、フリーのアナウンサーで顔も知られている著名人による投稿だったので、コンテンツよりも先に表現、そしてそれを「誰が」書いたのかに注目があつまってしまった結果だろう。
きつい言葉やショッキングなワードを使わずとも、その知名度で一般人よりは、アクセス数ということから考えると、アドバンテージがあるはずだ。
それでも、この問題をより強く訴えたいが為に選んだ手法が仇となった。
それはさておき、待機児童問題と同じく、医療費の問題は、大きな問題であることに変わりはない。
これをきっかけに、医療費の問題を真剣に考えるべき
本人も謝罪しているし、番組すべて降板という社会的制裁も受けているので、直接的関係がない外野はそろそろ静まって良い頃ではないだろうか。
長谷川氏の家族宛への嫌がらせなどは言語道断だ。
そんなことをするひまがあったら、長谷川氏の訴えた医療費の問題を各々が考え始めるほうがはるかに生産的だ。