うんこを漏らしそうなくらい売れているうんこ漢字ドリルです。
書籍ランキング上位を独占しているようですね。
売る方も嬉しさ半分、驚き半分といったところでしょう。
さて、冒頭の記事はその漢字ドリルの欠陥を指摘した記事です。
3ページに渡って書いてありますが、要約すると、「例文が短すぎる」です。
確かに記事中でも触れられているように、短い文章だと、熟語の意味がわからない場合があります。
そうすると、漢字を覚えたところで、その意味を理解していないので、学習としては不十分、ということです。
「うんこ中の(私語)は禁止とする」(カッコ内の読み取り)
やはりこの一文だけでは「私語」の意味が皆目見当がつかない。
(本文より引用)
確かにそうですね。
しかし、私語の意味を理解するためには、どうしても文章を長くせざるを得なくなり、それは学習のしやすさ、とっつきやすさ、軽快さを落としてしまいます。
うんこ漢字ドリルの作者に聞いてみないとなんとも言えませんが、もしかして学習のしやすさを優先し、熟語の意味理解を後回しにしたのしれません。
わたしは、それは正しい選択だと思います。
本文中に、「本当の力」や「真の語彙力」といった言葉が出てきますが、初等教育でこれらをどこまで優先するべきでしょうか。
もちろん、本当の力だって真の語彙力だって、身につくに越したことはありません。
しかし、それは学習に対する敷居の高さとセットです。
初等教育では、そんな力よりも、学習力を鍛えたほうがよいのではないでしょうか。
学習力と言うと堅苦しいですが、要するに学習することの楽しさを感じる力です。
この楽しささえ身につければ、人は生涯渡って学習意欲を持ち続けられます。
逆に、学習=辛いことと思った人は、生涯渡って学習を忌み嫌うことになります。
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学習の入り口の敷居は低ければ低いほど良いと思います。
例えば漫画。最近は自己啓発本が漫画で発売されることもあるようですね。
漫画の内容量と活字のみの内容量では、1冊の内容量にかなりの差が出ますよね。
それでも漫画バージョンが出るのは、一度敷居を落としてわかりやすいところから入ってもらい、知識の準備が整ったところで活字を読んでみたらどうか、ということでしょう。
もちろん、漫画だけで終わっちゃう人もいます。しかし、ではその人は最初から活字を読んでいたら読破し理解できたかというと、甚だ疑問です。それなら漫画バージョンだけでも読んだほうが良いのではないでしょうか。
これと同じことがうんこ感じドリルにも言えると思います。
本当の力、真の語彙力なんて徐々に自分のペースで身につけていけばよいのではないでしょうか。
初等教育では、やはり楽しさ、愉快さを優先すべきでしょう。
私は、うんこ漢字ドリルを考えた人はすごいと思います。