今週のお題「芸術の秋」
わたしにとっての芸術は、やっぱり音楽ということになります。
幼少期からいやいやながらピアノを習わされて、今ではその音楽が人生の軸になっているから、人生不思議なものです。
私の幼少期あたりは、ピアノと言えばクラシックでした。
バイエルやブルグミューラー、ハノンといった教本を弾くわけで、ちっとも面白くない。
もちろん普段は流行りのJPOPを聞くのですが、ピアノとは完全に別物だと捉えていました。
そういった意味では、高校の頃のギターとの出会いはとても大きいものです。
ギターは、ピアノに比べて、楽器的にかなり「ちゃち」に見えたし、演奏上の制約も強かったのですが、それを凌ぐ「カッコよさ」がありました。
ピアノを習っている時に、弾き姿のカッコよさなんて考えたことありません。
姿勢の正しさは注意されましたが、それはカッコよさとは別です。
また、コードという概念も新鮮でした。
クラシックピアノにはコードという概念はなかったので、ギターのコードをピアノで弾いた時は、不思議な感覚でした。クラシックピアノにはない「何か」がそこにはありました。
上に、ピアノレッスンと普段聞くJPOPが別物だ、ということを書きましたが、ギターに出会った時に、それが「音楽」という大きなくくりの中の話なんだ、ということを感じた、と言えます。
物心付く前からピアノを習い、高校でギターに出会う。
今でも音楽を続けているのは、その両方があったからだと思います。
個人的な捉え方ですが、幼少期のピアノは芸術分野を、ギターからはエンターテイメント性を学んだと感じます。
この両方のバランスが、音楽のこの上ない魅力だと私は思います。
どれだけ素晴らしい音を奏でても、それを誰かに聞いてもらわないと音楽としては成り立ちません。
かといって、人が気に入る曲ばかりを目指すと、大衆迎合音楽が世に出回り、文化レベルは下がります。
だからどちらも大切です。
今回のお題は、芸術の秋。
普段は商業音楽に身を置いているので、芸術の秋くらいは、音楽の芸術性について思い巡らせてみるの良いかもしれません。
しかし、音楽においては、芸術とエンターテイメント性はごちゃまぜになることがあります。
つまり、芸術性を求めた結果がエンターテイメントに繋がったり、エンターテイメントを追求したらそれが芸術的だと評価されたり、ということです。
つまり、少なくとも音楽においては芸術性とエンターテイメント性は結構近いものなのかもしれません。