職場の前に、新たにマンションが建ちます。 こういうのは初めてのことなんですが、近隣住民へ丁寧な説明をする義務があるそうですね。
建築を担当する会社の、一級建築士の方が来て、建築計画概要書に沿って説明をしてもらいました。
この辺の海外事情はよく知りませんが、本当に丁寧だな、という印象です。 上記概要書には建築される建物の詳しい内容はもちろんですが、他にもいろんなことが書いてあります。
- 一番日(影)が長い冬至の日に、周辺どのくらいまでが日影になるかの図
- 防音の為に使っている防音シートの説明
- 道路の清掃を充分に行う、という約束
- 粉塵飛散を最小限に抑えるためのシートなどの対策とその説明
- 警備員の数や配置時間
- テレビ等電波障害対策
- 通風の対策
- 近隣住宅や施設を配慮した建築物の位置や色
- 苦情連絡先
どうでしょうか。人によってはこれを「当たり前だ」と思う人もいるかも知れませんが、私は丁寧だと感じました。 説明に来た女性も、とても物腰が柔らかく、印象の良い方でした。
建築物を建設するのだから、音や粉塵含め、何かしらの影響があることは避けられません。 しかし、それが嫌だからと言っていたらどんな建築物も建てられなくなります。
もちろん、私の場合は音楽の仕事なので工事による騒音は大きなダメージです。 しかし、この地域は私物ではありません。受け入れなくてはいけないこともあるでしょう。
私は忌み嫌うのは、こういうときにクレーマー的に文句をつけて、何かしらの恩恵を受けようとする人たちです。 タイプとしては、もらい事故のときにここぞとばかりに痛がって、少しでもお金をふんだくってやろうという人と似ています。
例えば決められた時間になっても工事が終わらなかったり、道路がすごく汚れたり、なんてことがあったらちゃんと意見して良いと思います。 しかし、重箱の隅をつつくようなことを言い続けることは、とても健全な行為とは思えません。
そんなことを言う人はそんなにいないだろうと思っていたのですが、今日来た方の話だと意外にそういう人は多いそうです。 音を出されるのは困る、ということを言うことは悪いのではありません。そこに一切の歩み寄りがない、ということが問題です。 例えば受験生にとっては騒音は困ります。かといって工事を中止しろと言っても物事はすすみません。 そこで、図書館など近隣の勉強がしやすい施設を利用するようにすすめ、その料金をもらう、といった歩み寄りの方法を双方で模索する、という方法です。施設まで行く手間やその料金というところで歩み寄るわけですね。
何はともあれ、話し合いや歩み寄りは大切です。