楽器演奏歴としてはギターよりもピアノの方が長いのですが、現在のメイン楽器がギターということもあり、正直なところピアノの機材にはそれほど強いこだわりがありませんでした。
これまでは、2007年に発売されたYAMAHAの「P-85」を長らく愛用してきました。
シンセサイザーのROLAND「FA-06」も所有していますが、
幼少期からピアノに触れてきた身としては、やはり鍵盤のタッチは「ウェイテッド(ピアノタッチ)」がしっくりきます。
「それならP-85のままでいいのでは?」と思われるかもしれませんが、大きな不満が一つだけありました。それは「88鍵盤はデカすぎる」ということです。
ピアニストの中には「88鍵盤ないと違和感がある」という方も多いですが、私は全く気になりません。
むしろ持ち運びを考えると、61鍵盤くらいが理想的だと思っていました。
ところが、ピアノタッチの61鍵盤モデルは市場にほとんど存在しません。
唯一の候補だったROLAND「RD-64」は約10年前の製品で、すでに生産完了。
中古市場でも滅多にお目にかかれません。
そこで見つけたのが、YAMAHAの「P-121」です。
2018年発売の73鍵盤モデル。
こちらも現在は生産完了品ですが、運よく中古で見つけて購入することができました。
長年使ったP-85と同じメーカーなので操作感も似ていますが、その分、確実な進化を実感しています。
特に「これは便利だ」と感じたポイントをいくつか挙げます。
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スピーカーの出力設定(オン/オフ/オート)
通常、ヘッドホンを挿すと本体スピーカーは消音されますが、P-121はヘッドホンを使いながらスピーカーからも音を出す設定が可能です。
これが意外とモニター環境を整えるのに役立ちます。
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オーディオインターフェイス機能の内蔵
PCとUSBケーブル1本繋ぐだけで、MIDIキーボードとしてだけでなく、ピアノの音をそのままデジタル録音できます。
配線がシンプルになるのは大きなメリットです。
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オートパワーオフの設定変更
普段は便利ですが、ライブの現場ではリハーサルから本番まで電源を落としたくないもの。これを任意で設定できるのは、ステージ演奏を想定した嬉しい配慮です。
もちろん、肝心のピアノ音色やスピーカーの質も格段に向上しています。
唯一の悩みは、73鍵盤という特殊なサイズゆえに、ピッタリ収まる持ち運び用ケースがなかなか見つからないことでしょうか……。






